6.全ての神々の父・ハイリゲスエールング-1-
・冒険者は冒険者ギルドに登録したら誰でなる事が出来る職業である
・冒険者ランクは最低ランクのFから最高ランクのAAAである
・Fランク冒険者が受ける事が出来るのは掃除、屋根や床の修理、荷物の配達、薬草の採取といった雑用系だけである
・Fランクの依頼を二十件、Eランクの依頼を十件、Dランクの依頼を五件達成したらEランク冒険者へとランクアップする
・Eランク冒険者がEランクの依頼を二十件、Dランクの依頼を十件、Cランクの依頼を五件達成したらDランクへとランクアップする
・Eランク冒険者になれば討伐系の依頼を受ける事が出来る
・Cランク冒険者になるにはCランクの冒険者になる為の依頼を達成すだけではなくギルドから出題される課題───つまり文字の読み書きに計算、言葉遣いに礼儀作法、薬草の見分け方と効能、一般教養といった方面の筆記試験に合格しないといけない
・Bランク冒険者になるにはBランクの冒険者になる為の依頼を達成するだけではなくギルドから出題される言葉遣いに礼儀作法、地理に言語、一般教養、古典に歴史、自国と他国の民俗学と風習に関する筆記試験のみならず実地試験に合格しないといけない
・Aランク冒険者になるにはAランクの冒険者になる為の依頼を達成するだけではなくギルドから出題されてきた過去の筆記試験と実地試験に合格する事に加え、状況判断と臨機応変を問う為のサバイバル試験にも合格しないといけない
・A~AAAランク冒険者ともなれば国や地方都市から士官の話が来る事もある
・宿泊、食堂での食事、買い物の際に冒険者カードを提示すれば割引の特典を受ける事が出来る
・一ヶ月の間に依頼を引き受けなければ冒険者として受ける事が出来る特典と資格を失う
・資格を失った者が再び冒険者登録するのは可能だが、スタートはFランクからとなる
・滞在している都市や村がモンスターや敵国に襲われたら、依頼を受けていないにも関わらずEランク以上の冒険者は討伐に参加する義務がある
・スライムをはじめとするモンスターを仲間にする時は冒険者ギルドで従魔登録する必要がある
・報酬は提示している依頼料の十パーセントを引いた金額が支払われる
・冒険者へ支払う報酬から引いている十パーセントは冒険者ギルド運営の為に使われている
・依頼が達成出来なかったら提示している依頼料を冒険者ギルドに支払う事になる
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ラクシャーサ先生?聞いてもいいですか?Cランク冒険者になる為にどうして試験を受けないといけないのですか?」
「いい質問です。Cランク以上の冒険者ともなれば豪商、場合によっては貴族からの依頼が指名で来る事もあります。その際に言葉遣いが乱暴であれば?依頼主に対して挨拶の一つも出来なかったら?その冒険者は依頼主から礼儀も知らない冒険者だと馬鹿にされるのです」
「成る程・・・」
ラクシャーサの言いたい事は分かった。
思い返してみたら、ラウロはシェリアザードの家庭教師としてラクシャーサを雇う時、Aランク冒険者だからなのかラクシャーサに対して礼を尽くしていた。
それにラクシャーサの仕種も洗練されていた。
それもそうだ。
高ランク冒険者ともなれば冒険者になりたての若者にとっては憧れであり目標でもあるのだから、腕っぷしの強さだけではなく礼儀作法も問われるのは当然なのだ。
「それともう一つ、いえ二つ。一ヶ月の間に依頼を引き受けなかったら特典を受けられないし、冒険者の資格を失うとラクシャーサ先生は言っていましたけど、遺跡や町の調査のように依頼内容によっては一ヶ月以上かかりますよね?その場合はどうなるのですか?」
「それが適用されるのは冒険者として一人前とみなされるDランク冒険者までです」
Cランク以上の冒険者ともなれば数ヶ月、依頼内容によっては一年以上という長期に渡る仕事は当然だし、領主やギルドマスターから直々に依頼が来る事もある
だから冒険者としての特典を失う事はないのだと、ラクシャーサがシェリアザードに教える。
「特典に関しては分かりました。何故、他国の風習に関する試験が?」
冒険者であれば受けた依頼の関係で他国に赴く事があるのは確かだが、それを試験として出題する理由が分からないシェリアザードはラクシャーサに尋ねる。
「自国では常識であっても他国では非常識と受け取られる事があるからですよ」
「確かにそうですね・・・」
ラウロとティティスが他国の王族や使者を持て成す時、その国では信仰上の理由で口にする事が出来ない食材を使わないように料理人達に指示していたし、他国へ訪問する時はその国の習慣を学んでいた事を思い出す。
ラクシャーサから冒険者の先輩としての話を聞いて納得したシェリアザードはレオンハルトと共に冒険者ギルドに赴いて冒険者登録した。
といってもレオンハルトは既に冒険者として登録していたので、実際に登録したのはシェリアザードだけである。
目出度く冒険者になったシェリアザードは部屋の掃除にバルでの給仕に皿洗い、商品の棚卸に薬草の採取といった雑用系クエストを順調にクリアしていった。
そんなシェリアザードがFランク冒険者として受けた最後の仕事はスノーホワイトストロベリーという果実の採取。
スノーホワイトストロベリーというのは糖度が高く酸味の少ない白い果実───要するに白い苺だ。
但し、この苺は冬のミルキーパールの森でしか実を実らせないので、市場で買うとすれば一粒で銀貨三~四枚もする高級品である。
だから報酬は一粒で銀貨二枚なのだ。
(高い・・・この苺、本当に高いわ・・・)
防寒対策をしたシェリアザードはスノーホワイトストロベリーを採取する為の籠を手にミルキーパールの森を進んでいった。
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