夢の国になることを運命づけられた村娘

小藤ゆか

Chapter1: The Village of Prime

プロローグ

 神様が言うには、その子は4歳の頃に川に捨てられ、そのまま溺死したそうです。


やあ!ははっ!君の夢を、教えてくれるかい?


 神様にそう尋ねられた彼女は、「テーマパークになりたい!」と元気よく答えたらしいです。


 したがってその女の子は、テーマパークになる未来を約束されてしまったのでした。


 いや、「テーマパークになる」って、どゆことですか。


 女の子が転生する先の時空であるユーカケルティワース時空は、彼女が元いた世界とは違い、魔法や奇跡が数え切れないほど日常に入り込んでいる異世界です。


 彼女が憧れるテーマパークは、人々に偽りの夢や奇跡を見せる場所。塀の向こうにも門の外にも、モノクロームな現実が広がって、だからこそ夢は輝いて、訪れた人々にかけがえのない時間を提供できるものです。


 塀も天井も関係なく、世界のすべてが魔法や奇跡に覆われつくされていたら、そこにあるはずの魔法は色を失って、テーマパークの夢は力を失います。


 夢は嘘だからこそ、

 叶わぬ願いだからこそ、

 いっそう活き活きとかがやくもの。


 これは、夢の力が死んでいる異世界に転生した彼女が、テーマパークになるまでのお話。


 ・・・・・・。


 いや、

 だから「テーマパークになる」って、

 なんなんですか?

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