プロローグ 次男・正彦と祖父母の墓 祖父の死後

 梅雨にはいる前に、彼岸を兼ねて墓掃除と墓参りに。

 嫁は一人でも、ちょくちょく参ってくれているようだ。ありがとう。

 伸びてきた雑草を手でむしり、墓石に水をかけ軽くすすぐ。

 同じ墓苑に父と母の眠る墓。そのうち俺も入り代々引き継がれることになる。通りを一つ挟んだ所に嫁の家の墓もある。反対側に姉の墓。同じように草をむしり、水をかけ綺麗にする。向うに行っても全員ご近所。

 華を手向け、線香の煙を撒く、そして拝む。

  家内安全、世界平和。

 風が気持ちいい。遠くで鳴く鳥、ひばりかな、の声が心地よい。寒くなく暑くなく。

 穏やかな平穏な日々を天国から見ていてほしい。次男だが、心配はいらない。俺がちゃんとこの家を、墓を守るよ。

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