第22話


大学の前までついて私はおそるおそる中に入る。


「あ、カナの妹…の…音ちゃん?」


「あ、ユーヤさん…こんにちは。」


声をかけられた先に目を向けるとユーヤさんがいた。


「どうした?カナに用?」


「はい…今日中に提出のレポート持ってこいって言われて…。」


「ああ、そっか。でもカナは今講義受けてると思うからもう少し待ってな。」


「そうなんですね、じゃあ私適当に待ってます。ありがとうございます。」


そう言ってその場を離れようとするも


「待って、さすがに音ちゃん1人でいたら変な奴らに絡まれるかもだからカナが来るまでは俺といよう。」


こっち。と言われユーヤさんの後について行く。


「あの…今日は1人なんですか?」


「カナは今講義受けてるし伊織は…多分いつもみたいに女の子とヤってんじゃないかな。俺も後で講義受けないとだから適当に1人で時間潰してたとこ。」


「ああ…そうなんですね…。」 



勝手に1人で気まずい感じになってしまい話題を変えようと口を開く。



「あの、そう言えば私が奏の妹だっていつ聞いたんですか?」


伊織さんと家で会った時も私のこと知ってたみたいだし…。


「文化祭のとき、カナが迷子の女の子案内するとか絶対しないと思って。音ちゃん達と別れた後に聞いたら妹だって。言い訳も怪しすぎたしね。」


「ああ。そういうことですね。」



なるほど。と納得しながら話しているうちに大学の校舎と校舎の間にある外の広いスペースに案内された。


ベンチがいくつか置いてあるからそこに座ろうと足を進めると…ー




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