第55話 脱走(2回目)
相変わらず学校では岡本軍団と遊ぶことが多かった。
学校のフェンスの金網は一部が破れていて、私たちは、よくそこから学校を抜け出して駄菓子屋に行っていた。
岡本軍団の溜まり場は学校から2つくらい先の路地に入ったところにある駄菓子屋さんだったからだ。
駄菓子屋さんは、気の良さげなおばさんがやっていて
「学校サボったらあかんで」
と言いながら、ジュースや、お菓子を売ってくれた。
駄菓子屋には、小さなゲーム機も置いてあり、私たちは、よくゲームしたり、話したり、煙草吸ったりして過ごした。
前話でも話したけど、渉の代わりにパシリに行っては商品を万引きしてお金を小遣いにしていた家業?を続けていた私は、ある日、渉の代わりに中村君こと、パパのパシリに行った。
その日も万引きをして学校に戻る時に担任に見つかってしまった。
「こら!雨夜!オマエ授業中やぞ!どこ行ったったんや!何回目やと思ってんねん。サッカー部クビにするぞ」
と、走って追いかけてきた
私はダッシュで逃げて学校から離れてしまった。
その辺をぶらぶらして学校に戻ってきたのは5時間目が終わる頃だった。
学校に戻ると渉と会った。
「オマエヤバいぞ!パパめっちゃ怒ってるで」
と、渉は私に言ってきた。
私は
「え?もしかして金持ち逃げしたとか思われてる?」
「パパ怒ってるから雨夜見つけたらしばくって言うてたから今日は学校行かん方がええで。」
と、渉。
私は、学校に行かずまた、ブラブラすることになった。
このまま帰っても施設では
「学校サボったんか?」
とか、言われそうだったのでパパからもらった2000円を持ってゲーセンに向かった。
ゲームをやっていたら時間を忘れて、施設にも帰るに帰れなくなってしまった。
「どないしよ。学校にも明日から行けないなぁ」
そう思ったら、四條畷の叔父さんのところが恋しくなってきた。
「よし、四條畷に行こう」
そう思って、私は四條畷まで歩き始めた。
結局今回は、そのまま叔父さんの家に行った。
いきなり帰ってきた私に叔父さんはびっくりして
「どないしたんや」
と、優しく迎え入れてくれた。
私は、詳しい事情までは話さず学校に行きたくない旨を伝えた
「それなら、とりあえず、明日施設に戻って担当の先生と話をしよう」
と叔父さんは言って、一日泊めてくれた。
次の日公徳学園に行き、担当の先生と話し合った結果、少し学校を休むことになった。
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