第19章 初心者職人、汗と集中の一日
【再びこんにちは。
質問に正直に答えてくれて、本当にありがとう。それに、未来に作る予定のパーティーに今から誘ってくれたことも感謝してる。でも、今はその誘いに対してはっきりとした返事ができそうにないんだ。
だけど、それは断るって意味じゃないよ。まだこのゲームのことを学んでいる最中だからね。
追伸:君の質問の答えだけど、実は…自分が作った靴を履くためには、残念ながら必要なレベルに達していないんだ。】
――送信完了。
彼のパーティーの誘いに返事をしなかったことで、怒らなければいいけど…。
今、集中しなきゃいけないのはベアトリクスが頼んだ靴だ。
作業部屋に入ると、トーマス師匠がすでに作業に取りかかっているのが見える。
いつも通り真剣な表情で集中していて、なんと――僕が描いたスニーカーの設計図をもとに、靴の型紙がもう出来上がっていた!
まさに僕が思い描いていた通りのスニーカー、その原型がトーマス師匠の机の上にある!
「すごいです、トーマス師匠! 本当にありがとうございます!」
『全部、君のおかげだよ。前にも言ったが、君があれだけ速く図面を描いてくれなければ、私もここまで早く型を作ることはできなかった。本当に感謝しているよ』
――トーマス師匠はいつもあの穏やかな笑みを浮かべながら、賢者のように語ってくれる。本当に謙虚な人だ。
『さて、次はこの型に牛革を縫い合わせていく作業だ。始めようか』
「はいっ、トーマス師匠!」
まるで命令を受けた新兵のように、僕は元気よく返事をして椅子を彼の隣に引き寄せる。そして作業を始めた。
まず、師匠が専用の太い針と糸を手に取り、慎重に牛革を靴の形に沿って縫っていく。
僕はというと、縫い目をしっかり固定するために、手にした小さなハンマーで軽く、だが確実に叩いて補強する。
一見、簡単な工程のように見えるかもしれないけれど、縫い目が甘ければ靴はすぐにダメになってしまう。
だからこそ、一針一針を丁寧に、集中して確認しながら作業を進めていく。
時には師匠の手が届かない箇所を、僕が代わって縫うこともある。
まだまだ初心者だけど、今までずっとトーマス師匠の作業を見てきたおかげで、自然と手が動くようになってきた。
そして、ようやく縫い作業が終わる頃には、僕の額から汗がにじんでいた。
それでも――止まらない。
次は革の表面を丁寧に紙やすりで磨く作業だ。ここでミスをすれば、あとで塗る塗料がすぐに剥がれてしまう。
慎重に、丹念に、革の一枚一枚を磨いていく。
また繰り返し――そして繰り返し…。
僕はまだまだ駆け出しの靴職人だけど、一つだけ分かってきたことがある。
――「何事も、納得がいくまで何度も繰り返さなければならない。」
僕が紙やすりでの処理をしている間、トーマス師匠は次に使うピンク色の塗料を準備してくれていた。
そして、ようやくすべての磨きが完了。もう一つの大事な作業、塗装に入る。
あらかじめ用意していた筆にピンクの塗料をつけて、僕は靴の前部分、師匠は後ろと靴底を塗っていく。
筆を何度も塗料に浸しては、塗り、また塗り……。
これもまた、何度も繰り返す作業だ。
――そしてついに。
すべての塗りが終わった。
何度も何度も繰り返しながら、ようやく色が定着した今――だが、本当の試練はここから。
塗料が完全に乾くまで、待たなければならない。
そして、靴の仕上げには――まだまだ、やるべきことが残っている。
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