1.5章

2025年12月25日 ②

 2025年12月25日

 十四時ちょうど。

 雨が降り始めた。


 僕は図書館前の大きな木の下にいた。枝葉が庇のようになっていて、まだ傘がなくてもなんとか濡れずに済んでいる。今日は傘を持ってきていない。このあと、誰かが返しに来る予定だから。


 正門のほうから、玉川が傘をさしてこちらへ向かってくるのが見えた。

「早いな」

 そう声をかけられたとき、僕は読んでいた本を閉じた。

「まあな」

 玉川は僕の隣に腰を下ろす。


「武田は、まだ来てないのか?」


「香菜は、まだ来てない」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る