第6話ゾデック

村の騒ぎが多少落ち着いたので 何故あんな危険な鉱石を採掘したのか経緯を聞いてみる

一年程前に流れ着いた自称鉱山技師のゾデックという男が指示したそうだ ゾデックの指示する場所を掘れば質のいい鉱石が採掘された為 やがて皆が彼の言う事を聞くようになり 一月程前亡くなった採掘係の男に掘るように命じ 暗殺石を鉛の箱に入れて持って来させ そのまま細工師に持って行き細工された石を持って村から出て行ったと言う

鉱山技師を名乗るくらいだから 暗殺石の事は知っていたはずだが それを採掘させ村から出て行ったのは何故だ?

あんな物が大勢の人の中に持ち込まれたら大変だ

jrの中から情報収集に長けたメンバーを選びゾデックに関する情報と足取りを調べてもらう

二月程でメンバーが帰って来たので報告を受ける

ゾデックは既に死んでおり 暗殺石はマルラス王国のヴァンデーユという貴族に渡されたらしい ただその貴族は生きており 暗殺石は貴族がまだ保管している可能性が高い

ゾデックはヴァンデーユ家の長男であったが素行の悪さから廃嫡され その後鉱山技師になったそうだ

妹はマルラス王国の王子の側室になり男の子を生み 将来の王位継承者の母親として活動しているとの事 ヴァンデーユ家も裏からそれを支援していて色々と工作をしているらしい

 

近々 マルラス王国で盛大な夜会があり王族も出席するので その時に献上する形で王族に渡すのではないかと思われる

考えを纏めクロノス王に報告すると

「手紙を書くので マルラス王国の国王に届けてくれないか?」

翌日 クロノス王の手紙を持ってマルラス王国にノエルさんと出発する

同行をお願いしたのは 俺見たいな得体の知れない冒険者じゃなく 勇者の肩書があるノエルさんが一緒の方が信用性があるだろうとの考え それに俺は貴族の作法を知らないからね

樹海からマルラス王国への道中 山賊に襲われている豪華な馬車を見つけ ノエルさんと助けに入る

「何だ!! 手前らは 邪魔するならお前等もぶっ殺すぞ」山賊の頭領みたいのがノエルさんに斬りかかるが ノエルさんがあっさりと返り討ちに倒すと 蜘蛛の子を散らすように他の山賊は逃げ出した 事情を聞く為 逃げ遅れた一人を捕らえる

馬車から まだ幼さの残る少女が出て来て

「危ない所を助けて頂き 誠にありがとうございます」頭を下げる

続いて出てきた口髭 眼鏡の背の高い男が

「姫様 このような下民に頭を下げるなど おやめください!!」少女に言うが

「セバス あなたは 命を助けてくれた方に何て事を言うのです!!」

「しかし…」口ごもるセバスから俺達に目を移し

「大変 失礼しました 私はマルラス王国の三女メリルと申します」

俺達は膝を付き

「私はシリウス旅団のシリウス こちらは勇者ノエルでございます」頭を下げ言うと

「まあ シリウス旅団の方と勇者ノエル様ですか ふふ シリウス旅団の方に助けられたのはこれで二度目ですわ」メリル様が笑いながら言う


そう言えば ハイジ達が前に魔物に襲われている馬車を助けたとか言ってたのを思い出す

倒れている護衛の手当をして その場を離れようとすると

「お待ち下さい シリウス様 ノエル様」メリル様に言われ 立ち止まると

「連れて来た護衛も負傷しておりますので 宜しければ私の護衛として一緒に王都まで行って頂けませんか? もちろん報酬もお支払いします」

どうせ王都まで行くんだし 承諾すると 馬車に乗るように言われ

「私は 理由があって王位継承権がありません それでもなんとか国の為に尽くしたいと思い財政や内政の勉強をしてまいりました 今回もミーム領の視察に行っていたのですが その帰りを襲撃されたのです」メリル様が話していると 護衛の叫び声が聞こえ馬車が揺れる

外を見ると 鎧を身に纏ったのが30人ぐらいで馬車を囲んでいる こちらの護衛は負傷している事もあり 押し込まれている

俺とノエルさんは馬車を飛び出し 襲撃者を倒していく

後方で指揮を取っていた男を捕らえ メリル様の前に突き出す

「あなたは ミーム領の騎士団長!! 何故こんな事を?」

男は黙って下を向いている 

「姫様が聞いているだろ!!」 俺が剣を抜き首の皮をスッと斬り

「次は首を切り落とす!!」脅すと男は失禁し 震えながら

「領主様に姫様が精査すると持って行かれた書類を取り返すように命じられました」

白状し 「申し訳ございません」地面に頭をつけ涙声で謝罪するが 王女を襲撃したのだから どっちみち死罪だろう

ミーム領の領主はヴァンデーユ当主の弟が婿入りしてなっているそうだ

兄弟揃って 王国に対して反旗を翻しているのか?

詳しい取り調べは王都で行う事になり騎士団長と山賊を連れて王都に向かう

「ありがとうございます シリウス様 ノエル様」馬車の中で改めて礼を言われるが

「大した事ではありません 頭を上げて下さい」そう言うと

「お二人の冒険の話を聞かせて貰えませんか?」

それ以降魔獣や人の襲撃も無く 姫様に冒険の話をして日を過ごすうちに王都に到着した

 











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