第38話 最悪の時間(まとい編)
どんなことがあっても、絶対に渡すつもりなんてなかった。離婚をやり遂げたあとに、交際をスタートさせてやるんだもん。二人のラブストーリーは、結婚という形で幕を閉じる。
一年ぶりに化粧道具を手に取ったあと、見栄えが良くなるようにメイクをする。見た目をよくしておけば、意中の男性に振り向いてもらえる。
みんなが噂を忘れたころに、さらにひどいデマを流す予定。略奪女を完膚なきまでに叩いて、災いとなるものを取り除こう。自分が幸せになるためだったら、他人をどん底に突き落とすのは必然だ。
化粧をしていると、にっくき男が姿を見せる。手元に包丁があったなら、すぐに刺していたと思われる。
「まとい、性行為で日ごろの鬱憤をはらしたいんだ。一時間から二時間ほどつきあえよ」
ストレスをためている女に、性行為で鬱憤を晴らしたいという男。自分さえよければ、他人はどうなってもいいというスタンスを貫いている。どのような教育を受けたら、最低最悪になれるんだ。
沈黙を貫いていると、汚らわしい手がこちらに向かってくる。抵抗することもできず、男のおもちゃになり果てた。
悲鳴を出すのを必死にこらえようとするも、本心にあらがうことはできなかった。
「やめて、やめて・・・・・・」
男を引きはがそうとするも、力ではまったくかなわなかった。奴隷になったかの如く、性被害を受ける羽目となった。
「おもちゃのように扱ってやるからな。逃げようとしたら、どうなるかわかっているよな」
性暴力が1~2時間は続くと思われる。これから訪れる地獄に、涙を浮かべることしかできなかった。
「おまえのおかしくなった脳を、正常に戻してやらないといけないからな。天使みたいな男といられて、最高の気分になれるだろうな」
おまえは天使ではなく、人間の良心を捨てた悪魔そのもの。自己評価の高すぎる男は、そのことをわかっていなかった。
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