第39話 旦那に襲われる(まとい編)

 達を奪った女とやりとりをしていたときに、暴力夫に自宅に連れ戻された。


「おまえ、いい加減にしろよ」


「私はやりたいようにやるの。邪魔をするな・・・・・・」


 法律の上に立つことを許される存在に対して、なんてて言い草をしやがるんだ。こいつの脳みそは完全にくるっている。


「俺のことはどうでもよかったのか」


「ええ、あんたなんかどうでもいいのよ。無口君だけが大好きで、あんたには一ミリも恋愛感情を持っていなかったわ」


 恋愛感情は一ミリもないけど、強固な殺意は持っている。練炭を使用した、完全犯罪を実行してやろうかな。


「あんな奴のどこがいいんだ。性格が陰気、変人、趣味も最悪、顔もスタイルも最悪な男だぜ。クラスからは何と噂されていたか知っているか。存在しているだけで、鬱陶しいだからな」


 初恋の人を全否定され、頭に血があがってしまった。


「私の好きな人を悪くいわないで。あんたみたいなゴキブリよりも、∞の長所を持っているわ。あんたと一緒になるくらいなら、青酸カリを飲んだほうがマシなのよ」


 こんな男と生活するくらいなら、圧倒的に死んだほうがマシ。そう思えるくらいに、最低な人間性をしている。


「お、おまえ・・・・・・」


「見た目も不潔で、性格も悪くて、お調子者で、異常なまでに面倒な性格をしている。世界で最低ランクの彼ガチャを引かされたようなものだわ」


 数えればきりがないほど、人間性は腐りきっている。どんな生活を送っていたら、こんなにも最低な人間になれるのか。


「ゆ、許さん・・・・・・」


 颯は包丁を持ち、こちらを威嚇してくる。殺気立った目線に対して、身の危険を感じていた。


「し、死ね・・・・・・」


 まといは数秒後、おなかを刺された。消えゆく意識の中で、どこで間違えてしまったのかなという言葉が浮かんだ。

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