第2話『灼熱の合同訓練』中編
『ランサー小隊のF-16を滑走路へ誘導するぞ〜!』
整備員の声と共に俺達は誘導員の誘導灯に導かれ
キィィィィーン!とジェットエンジンの音と共にゴォォォォ〜!と炎を上げ空へと上がった。
空だ。快晴だが暑い…。
この特殊合同訓練とやらを説明しておこう。
武装は機銃に装填されたペイント弾のみを使用。
対戦時間は30分。対戦相手にペイント弾をどれだけ当てるか、そして着陸後の機体審査で勝者が決まる。それだけだ。
ーオーラル島上空ー
第1回戦
相手はベルガ隊で機体はTyphoonだ。
俺達が2機編成なのであちらさんも2機編成。
『行くぞ…ローディ。合わせろよ。』
『わかってるって!相棒!』
孤独な声とデカイ声が交差し空を舞う。
開始10分経過。
ベルガ1がランサー2の後ろを取るもランサー1が急旋回で阻止。続いてランサー1はベルガ2にペイント弾を掃射。命中。
その後、5分は4機の戦闘機が空を舞い。
輪舞曲を奏でる。
さらに10分経過。ランサー2がベルガ1にペイント弾を掃射。外れる。
基地から無線が聞こえる。
『競技終了。全機帰投せよ。』
どうやら第1回戦は俺達が勝ったようだ…。
ベルガ隊隊長のロクスが俺に握手を求めてきた。
『いやぁ〜参ったよ。話題の君達に負けるとはね。』案外気分の良い奴だった。
『あぁ、ロクス隊長。あんたの回避も見事だったよ。』久々に良い握手を交わした。
その後、各精鋭達が競技を終わらせ夜が来た…
7月5日午後19時
ーオーラル島大食堂ー
俺達は夕食を食べていた。
『はっはー!ベルガ隊を負かすたぁ〜!お前達もやるもんだなぁ〜!ガハハハハ!』
とローディよりデカイ声をあげて
バトルアクス隊の隊長ガイラがやってきた。
『久しぶりですね…ガイラ大尉。豪快にビール飲んでて大丈夫ですか?』と俺が尋ねる。
『なぁにぃ、明日はビルとマックが飛ぶ!俺は休みだから飲む!豪快に飲むんだ!』
だ、そうだ…。
そこに
『あら、生き残りさんじゃないの?今日は勝てたのね?でも、明日はどうかしら?』
気高き女騎士様のご登場だ。
『久しぶりだな。エレナ少尉。アムリ高校以来か?』と俺がまさかの質問交じりで問いかける。
『えっ…何で知ってるの…。』
彼女は唖然としていた。
『俺は案外、記憶力が良くてな。面識があまりなくてもクラスの同級生は覚えているさ。』
『おいおい!ジャック!このべっぴんさんと同級生なのかよ!』と、ローディも驚いている。
『ふん。私が驚かしてやろうとしてたのに!生意気よ!上級准尉。』と彼女は少し怒ってしまったようだった。
その後も色々と口論を交わし夜も更けていく…。
一方その頃…。
1998年7月6日深夜3時
ーガルベル大陸ガルベス公国公国軍総本部ー
公王ギンディーは語る
『諸君、そしてムガンよ。準備は整ったかな?』
第1公太子ムガン率いる公国軍は帝国崩壊後各国に監視されていても不穏な動きを見せていた。
『父上。20年前の屈辱、今晴らすべく時が来ました。前大戦から敗北し我らは世界の監視を潜り抜け超兵器を開発を続けて来ました。そして、
今宵全ての準備が完了しました。』
とムガン本人も応える。
『では、ムガン。頼んだぞよ。』
とギンディーはムガンへ【ある資料】を渡す。
『全軍!戦仕度をせよ!この日、この時より
Operation DARK STAR(暗黒の星屑作戦)を開始する!!』
オォー!オォー!と公国軍総本部に公国軍人達の掛け声がこだまするのであった…。
もうすぐこの世界を震撼させる大戦争が始まろうとしていた。
つづく。
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