第3話
VTuberの事務所の1つで大手と言われるほど人気がある。
俺は先日のDMにてRT3事務所の中にいた。
何でも俺に頼みたいことがあるとのことで事務所にお呼ばれされたのであった。
事務所に行くと応接室に通され、担当者が来るまで待たされていた。
一体何を頼まれるのだろうかと思ったがRT3には好きな推しが複数人いるからワンチャン会えたらな~って考えも少しはあり二つ返事で行くと答えてしまったの軽率だっただろうか?
そうこう考えてたら応接室の扉が開いた。
「はじめまして
「ど、どうも…」
いきなり一番偉い人がくるとは思わなかったからついどもってしまった…恥ずかしい
竜馬木風とは俺のペンネームである。本名は
「本日あなたにきてもらったのはうちで専属イラストレーターとして契約してほしかったからです」
「えっと…専属ですか?」
「ええ、実はうちで新たにデビューする子がいるのですが現在立ち絵がない状態でして……」
「デビューするのは知ってます。SNSでも告知されてましたし、だけどデビューが決まってるなら立ち絵もあるはずでは?」
「お恥ずかしい話、こちらの連携がうまくいっておらず、不備が生じてしまったのです」
話を聞く限りどうやら立ち絵を描いてもらうはずだったイラストレーターに連絡がいっておらず、デビューする子もパソコンや機材を一式揃えたり契約の説明、VTuberとしての講習を受けていて立ち絵のことについて一切触れれなかったらしい。そして先日まで立ち絵が無いことに気付き事務所に連絡を入れて今回のことが発覚したらしい。
俺に仕事の依頼が来たのはデビューする子が直々に俺を指名したらしい。なんでも1年ほど前から俺のイラストを見ていてくれたらしく、立ち絵がないなら急ぎ描かなくてはならないから、クオリティもあり描きあげるまでの早さもある俺はどうかと白羽の矢があがったみたいだ。もしこれで描きあげることが出来るなら専属イラストレーターとして雇いたいという話らしい。
ちなみにデビューまであと2週間ちょっとである。
今お前1週間で描けるからいけるだろって思ったろ?
元々の立ち絵があるならいざ知らず、一から描くとなると、1週間じゃ無理だ。
全身一から考えて、服や小物なんかの装飾品に基本となる髪型や表情差分などが必要になってくる。ましてやVTuberの立ち絵は2Dだからパーツ分けなどの細やかな作業も必要になってくる。
あれ、これ詰んでね?
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