これは史上最大の問題作であり又、永きに
渡って繰り広げられる、もう一つの
壮大な日本神話【八朔日の贄】に纏わる
スピンオフ短編集である。
…書いていても、もう既に震えが来る程の
伝奇ホラーは、スピンオフさせても尚、
その禍々しさは少しも衰えない。
神 人間 禍津物 そして…。
本編は長編だが、硬質で潔く端正な筆致に因習、ブロマンス、反社、学生、宗教、獣
様々なものが蠢き疾走する。そして其処で
知らされなかった逸話が、この短編に
納められている。
まるで、高価な柑橘の如くに。
桐箱に納められているのは果実か、将又
人の臓物なのか。それとも愛すべき
者たちの 遠い記憶 なのだろうか。
短編集としても、かなり不穏。
八朔の青い果実が葉影から顔を覗かせる。
目が合ったらば最期。
間違いなく虜になってしまうだろう。