第4話:誕生! 大皇帝
劉備一行が悪漢に絡まれている頃、後代に倭国の領土となることで有名な張良の石碑が残る項籍の興った地である楚では、ある豪族の次男が生まれた。その豪族は後に黄巾の変で活躍するのだが、今は未だ一介の県副知事に過ぎない<!--編者訳注:まあそれでもどこかの流浪な草鞋売りや、自称前漢の功臣の子孫に比べれば天と地の身分差があるのだが、それでも震旦の広さを考えたら県副知事はそれなりでしかない-->。
さて、この豪族であるが、彼もまた馬の骨の哀しき定めか、なんと今なお「震旦流軍学書」として有名な孫武ないしは孫嬪<!-- 字は違うんですが(以下同文) -->の子孫であると言い張っていたという。一応、県副知事の前職として司馬乃至は尉であったらしいので、それなりには軍事に自信のある人物だったのだろうが、それだとしてもフカシ過ぎではあった。
さて、彼は生まれた次男に、即座に小姓を付けることにした。その中に、今なお、ある意味では有名な朱桓が存在した。
元々、その豪族は自称前漢の功臣の子孫を名乗る純血種の人間と違い、それなりに別の種族との交流があったためか、混血種の人間や、異種族などを家臣に加えていた関係上、それほど有名になる理由は無いのだが、その朱という人物が側室とした人物が、今なお歴史に書かれている有名な女傑であるから、恐らく名が残ったのだろうと思われる。
彼女の名は、あまりに有名なので略するが、女だてらに武将として活躍したことから、女としては珍しく諡が存在する。
まあ尤も、劉備一行とて女ばかりなのだが、後世に男性として伝わっている関係上、それは気にしてはいけない、いいね?
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