第3話:帰って行くヨッパライ
「毎度あり~」
トホホ……。結局少しだけど、払わされたわね……。
「お姉、お金もってたんだ~」
文字通り千鳥足の益徳。そりゃ酎をバカスカ飲んでりゃそうなるわよ。
「あれ、一応軍資金なんだけどね。……事情は説明したから、まけてもらったけど……、益徳、しばらくはおかず一品減るから」
「えー」
「さて、姉様。いかがなさいますか」
そして、今度は雲長が話しかける。うん、雲長は禮<!-- 編者訳注:本来は偏が違うんですが、勘弁して下さい -->しか飲んでないこともあって、きちんとしているわね。
「ここは、どこだっけ……」
やっば、私も若干酔ってるわ、今。
「恐らく、河東郡の解県でしょう。昔住んでいたのでなんとなく解ります」
「へぇ……」
そういえば、雲長は昔塩商人だったっけ。
「それに、良い志学祝いになりました」
「ありゃ、雲長って今年で15だっけ」
<!-- 編者訳注:現代では違法乃至は不道徳ですが、古代にそんな法律はない旨と、そもそも劉備がエルフで関羽や張飛がハーピィである時点で、その辺りはお察し下さいませ -->
「ええ、あの当時はまだ若く、長生とも名乗っておりましたが、少し……ありましてな」
「あー、そういやなんかあったらしいわね。私はそんなの気にしないけど」
っていうか、それ言い出すと私なんていろいろあったどころじゃないし。
「まあ、そういうわけでしてな。姉様に加わるまでは琢<!-- 編者訳注:本来は偏が違いますが「禮」同様に見つからないので…… -->に居りました」
「へー、だからなのね。……って、じゃあ、まずくないのかしら」
被害者が復讐に来たらどうするのかしら。
「ああ、それならご安心下さいませ。いざとなれば飛べますし、それに……」
「それに?」
「姉様の経歴に泥を塗る真似は致しませんから」
「あはは……もう泥まみれなんだけどねー……」
だって、この前県知事ぶん殴って逃げたし。
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