第8話

🔳七月二十五日

 全国各地に伝わる河童伝説をまとめたようなサイトを見つけた。殆どの伝説に河童は肛門から手を入れて、内臓を食べる習性がある、とあった。


 なぜだろう。何故河童は尻から手を入れて内臓を食べるのか? 内臓を食べたいなら、腹を切って食べれば良い。何故尻から手を入れるのか?


 しかも、こんな同じような説がどうやって全国各地に広まったのか。江戸時代の黄表紙などが拡散に貢献しているのか?

 

 宮崎では、河童は“ひょうすんぼ”、尻子玉は“けつご”というらしい。祖父が云っていたのもそんな名前だったかも知れない。河童は“河童”だったが。


 何と云っているのか聞き取れないが、耳の奥の声はどうも言葉のようだ。




🔳八月二日

 ここに住み始めて、一日三食きっちり食べるようになった。それどころか、十時とか三時とかに何かつまんだりすることもある。


 さぞかし体重も増えてるだろうと思い、温泉施設にあった体重計に恐る恐る乗ってみたら、却って以前より減っていたので驚いた。


 そういえば、腹以外は細くなったような気もする。よく歩くからか?


 


🔳八月十二日

 中華料理のパウチ入り調味料は、全ての種類を食べ尽くしてしまった。どれも二〜三人前、または三〜四人前だったが、全部材料通りに作って一人で食べた。飯も二膳食べる。食べ過ぎだ。腹はますます出て来た。胃の辺りがポッコリ出ていてみっともない。


 運動しないと、と思い、食後散歩に出た。暗くなったので、スマホのライトをつけて歩いた。空気の澄んだ夜空いっぱいに散りばめられた数々の星たちを眺め、心が洗われる思いがした。


 そういえば、祖父は夜この道を歩く時、提灯ちょうちんを持っていた。今考えると江戸時代か!って突っ込みたくなるけれど、当時は別に普通だったのか?多分昭和四十年くらいの話だ。


 頭の中の声が止む気配はない。いつも何か聞こえる。

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