第2話 ドラゴンってなんだろう。

「ドラゴンさーん?あなたは言葉を喋れますか~。」

 まあ、喋れないだろうけど。

「喋れますけど。」

「喋れるんだ。」

 前言撤回。喋れました。

「では次。雄、雌どっちですか?」

「雌です。」

 確かに。彩色が可愛らしいし雰囲気が穏やかだし。

「んじゃあ名前は?」

「リコです。よろしくお願いします。」

「エミリです。よろしく。」


「ガサガサッバキッ」

「?」

 現れたのはエメラルドグリーンに水色の瞳を持ったリコと同じくらいのドラゴンだった。

「リコ~?あ、いたいた。」

 やけに人間みたいな言動だなあ。

「ん?」

「?」

「人間だああぁぁぁぁぁ!」

 急にどうした。

「人間って珍しいの?」

「言葉が分かる!?」

 Oh。ものすごい驚いてる。リコは驚かなかったのに。いや、リコがおとなしいだけかも。

「で、珍しいの?」

「いやあ、人間を見たのは初めてだよ。言い伝えとしては知っているよ。でも、喋るのは予想外だったんだ。」

「エミリ!」

「あ、兄様たち。」

「ドラゴンが増えてるっ!」

 そりゃあ、驚くよね。

「紹介するね。私の兄様。」

「よろしく~。」

「よろしくお願いいたします。」

「喋ってるし。っていうかいつの間にか仲良くなってる。もう何が何だか分からない。思考放棄していいかな…。はあ。」

「駄目だよ。」

 思考放棄されたらお母様とお父様には誰が報告するんだ。

「名乗ってなかったね。僕はドラゴンのレックス。あと、こっちはリコ。」

「リコです。よろしくお願いします。」

 ドラゴンて礼儀正しいんだね。新しい発見だ。

「兄様~。リコたちと遊んでいい?」

「いいよー。危なくないっぽいしー?」

 兄様が投げやりになっておる。あの基本温厚な兄様が…。

「じゃあ、僕は報告してくるから。はぁ。」

 やつれてるね。

「私はリコ達と遊んでいるからね~。」


 エミリ、5歳にしてドラゴン2匹と友達になる。


「じゃ、何して遊ぶ?」

「乗せて!空を飛びたい!」

 前世でも飛行機ほとんど乗ってないんだよね。それに、飛行機じゃ風を感じられないしね。

「いいよ~。」

 今気づいたけど落ちたりしないよね?しないはず!リコたちを信じよう。

「リコ~。乗せて~。」

「え、僕じゃダメなの?」

「うん。」

 何となくリコのほうが落ち着くからね。

「エミリ、乗って。」

「はーい。」

 おお、ごつごつしてる。鱗が少し出っ張っているからかな。

「行くよっ。」

「出発~!」

 

 空中散歩へ、いざ行かんっ!



 第2話 ドラゴンってなんだろう 終了


 第3話 空中散歩編   お楽しみに~。

 


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