異世界で人生を謳歌してやる!
すずらん
第1話 これが青天の霹靂ってやつか。
最悪だ。何で学校で登山の授業があるんだよ!しかも整備された遊歩道とかないゴリッゴリの獣道。ちなみに全員強制参加。
え…?なにこれ。え、こんな今にも壊れそうな橋渡るの?嫌なんだけど。
うわぁ、私の番が来ちまった。…踏み抜けちゃいそう。怖いよ、お母さんっ!大丈夫かな、これ。
「バキッ」
「へ……?ひゃあああああぁぁぁぁぁぁっ!」
とうとう踏み抜けちゃったよ!こんな所で死ぬなんて…。
お母さん、お父さん、育ててくれてありがとう。私が作った大量のクレープ生地、消費しといてね。あと、作りかけのレジン作品、捨てるかなんかしといてね。お母さんの手料理、最後に食べたかったな。お父さんとまた、遊びに行きたかったな。死にたくないよおおお。
ここで私の意識は途切れた。今思うとこの時の死に際の思考、なんか年齢下がっていたような、いなかったような…。
そしてまた意識が浮上して来たのだが……。ここはどこなのでしょう。
少なくとも病院じゃあないな。家でもないし。まず、こんな可愛らしい花柄の子供部屋(みたいな場所)見たことない。
「エミリ~?起きてる~?」
なんか女の人の声がする。
美女が来た。クリーム色の髪を凝ったハーフアップに髪を結い、若草色の瞳を持ち、ゆったりとしたワンピースを着た女性だ。
「エミリ、起きたのね~。それじゃあ、お着替えしましょうね~。」
そう言って、私を慣れた手つきで着替えさせていく誰か。
「はい、できましたよー。」
そう言って見せられた私は茶色の髪に女性と同じ若草色の瞳を持った1才ぐらいの赤ちゃんだった。
え?私、死んだんだよね?なんか生きてるんだけど。転生したってこと?そんな小説みたいなこと有り得ないと信じたい。信じたいんだけど…自分の身に起きているから現実なんだよね。ちゃんと服の感触あるし。
普通ならパニック(偏見です。)になるところだけど、今私はこれまでにないくらいワクワクしている。それと同時に物凄い恐怖が……。
「はい、それじゃあベッドに戻ろうね~。」
!戻された。ベッドの中つまんないのに~。
それから分かったことがある。
・ここはハリトン伯爵家だということ
・私は双子の妹で姉がマロンというそっくりのクリーム色の髪と青色の瞳を持った子だということ
・私には3歳離れたビィルトルというクリーム色の髪に金色の瞳を持った兄がいること
・着替えさせてくれた女性は母親でムーアという名前だということ
・父親はレイトルというハリトン伯爵家当主で茶色の髪に金色の髪を持った人だということ
……家族の情報しかないね。仕方ないよ~。ベッドからほとんどでないんだから。でもすごいよ、この家族美形が揃っているんだよ。異世界……なかなかイイね。
そんなこんなで4年が経った。
「マロン、エミリ、庭にいつもの子たち、いるって。」
「「いく!」」
3人でテラスから庭に出ていつもの場所へいく。
そこには猫、ウサギ、犬、フェレット、インコ、カラフルな鳥。小動物のオンパレード。初めて見た時はふぁっ!?ってなった。ちょっとした動物園開けるレベルだよ。すごいわ、伯爵家。ちなみにここにいる動物は全員魔力を持っているから魔法を訓練すれば使える。
6才になったら自分専用のパートナー兼護衛の動物を選べる。契約をして死ぬまで一緒にいる事になる。だからよく考えるように言われた。ちなみにウィル兄様は犬のリペル。この子が生き物とは思えないほど強い。何か攻撃魔法出せるし大人でもねじ伏せられるし。もう、犬じゃない。ま、異世界だしね。
「んなぁ」
「ん、よしよし~。可愛いねえ。」
「んふふ、デレデレだねえ、エミリ。」
「そういうマロンもだよ。僕も人のこと言えないけどね。」
はあ、平和だなあ。
「にっ」
「どうしたの?」
急に動物たちが庭の奥に逃げて行った。リペルも威嚇をしている。
「グルルルル」
なんだろう不審者かな。
「「「!」」」
ドラゴン!?存在するんだ。
そこには約3メートルのドラゴンが佇んでいたのだった。桃色の瞳に赤い鱗のドラゴン。
「ほへぇ」
口から謎の声が出た。
「マロンっ!?」
「気絶してるねえ。」
「何でエミリは平静を保っていられるんだっ!」
「さあ?…………え、兄様も見たことないの?」
「見たことあったらこんな驚いていないよ!」
ごもっとも。お母様方に知らせるか。兄様館まで走ってくれないかな。ついでにマロンも連れてってもらおう。
「兄様マロンを連れて館まで走ってくれない?連絡もついでに。」
「分かった。エミリは?」
「観察してる。」
「……エミリって本当に5歳児?」
失礼な。
「5歳児ですっ!」
「危なくなったら逃げるんだよ。」
「はーい」
なんかドラゴンがこっち見てる。…ドラゴンって喋るのかな。
物は試し!やってみよう!
第一話 これが青天の霹靂ってやつか。
終わり
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