第6話 忍者、武器を手に入れる
ダンジョンで鍛冶師の娘、槌屋和緒を助けた志信たちは、鍛治師の父に大層喜ばれ、ザッシュ用の刀を一本もらえることとなった。
和緒に案内された鍛冶場、刀剣の店というよりは、マギマシンのメンテナンスドッグのような店舗だった。志信、紗夜、柄蓮の3人は、店舗内にずらりと並ぶ、巨大な刀に圧倒される。
「おお……!」
「壮観」
志信は展示用の刀をガラスケース越しに、鏡のように自分の姿が映る刀身を見る。
「随分と……様変わりしましたね?」
驚く3人の中でも、紗夜は以前の店舗を知っていたため、様変わり……どころか、古風な刀剣類を売っていた小さな店が、大きな機械のドッグになっていることに驚いていた。
紗夜の驚きに、和緒が答えた。
「人相手の店舗は拠点を移しましたが、そちらは以前同様の規模や品揃えでやらせていただいてますよぉ〜」
和緒の長身で作業着に収まり切らないような胸部の膨らみが眼前に来た紗夜が、少し目線を逸らすのを、志信は見た。
「今日は、この中からお好きな刀を一本お持ちください!」
和緒は手を広げ、並べられた刀を指し示した。
「おぉ〜。太っ腹」
ぱちぱちと柄蓮が拍手を送る。てへへ、と和緒が頭をかいた。
「だと良かったんですけどぉ……ここは数打ち品になりますのでぇ、オーダーメイドじゃないんですぅ。あ、でも、品質は保証しますよぉ!」
「オーダーメイドする場合はどうなるんでしょう?」
「受け付けてますよぉ! その場合はこんな感じですぅ!」
作業着からタブレットを取り出した和緒が、3人に見せる。3人が顔を寄せて覗き込むが、志信はすぐに仰け反った。
「たっっっっか!」
5000万〜と記載されている金額。最近大きな数字を見すぎて麻痺してきたような……。
「あ、最近は海外からも発注をいただけてまして、予約は3年待ちくらいですぅ!」
「色々、手が出ない」
「そうですね……それだけ稼げてから検討でしょうか……」
柄蓮も真顔になり、紗夜は苦笑した。
「そうですかぁ? 次回をお待ちしておりますぅ」
和緒も慣れているのか、タブレットを作業着の中にしまった。
立ち直った志信は、気を取りなおして、並ぶ刀を見回す。
「じゃあ、あれで」
一本の刀を指し示す。
「直刀ですか。良いと思います」
紗夜が刀身を見てそう判断した。紗夜としては志信が使用するもの、特に非難するような響きもなく、好きにすればいい、という雰囲気。
一方、柄蓮はその刀を選んだことに興味深そうにしていた。
「刀のこと、よくわからないけど、何が決め手?」
「武器以外の用途としても使うかもなので。それと、鞘にもギミックがある方がありがたいなと」
志信は同じく展示されている鞘のカタログを見つつ、そう答えた。他の鞘は刀の洗浄、自動研ぎといった機能が主流のようであったが、その刀だけ別の機能が幾つか備わっているらしい。
「はいー。そちらのモデルは忍者刀をモチーフに、基本機能の刀身の自動洗浄、自動研ぎの他、下緒の代わりに巻取り式のワイヤーを鞘に仕込んでるんですぅ。また、ある程度の攻撃も防げるように、頑丈に作ってますよぉ!」
和緒が嬉々としてそう解説した。
「そうなんだ、いいんじゃない」
適当に選んだ訳じゃない、という納得もあり、柄蓮も頷く。和緒も嬉しそうにして、タブレットを操作して手続きを行う。
「では、こちらで手続きを行いますねぇ。修理やメンテナンスは有料となりますが、必要になればいつでもお声がけください〜」
「わかった。ありがとう」
志信は笑顔で答え、和緒と握手を交わした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます