平成という時代の空気感と少女たちの日常、その中に静かに潜む「異界」の存在がとても巧みに織り込まれていて、ぐいぐい引き込まれました。カオリンとウーロンの軽妙なやり取りが物語全体に柔らかなリズムを生み、怖さとの緩急がとても心地よいです。
1話ごとの怪異はそれぞれ異なる顔を持ち、どれも現実と地続きだからこそ背筋がひやっとする。特にプリクラやQ2のエピソードは当時の空気を知る人間には懐かしさと怖さが入り混じり、とても印象的でした。
全体を通して、怖さの中に少女たちの小さな成長や繋がりも描かれていて、読後感が冷たくなりすぎず、じんわりと余韻が残るのが素敵だなと感じます。(*^-^*)