第14話 

「いや、はっはっはっはっは! もう、人数もだいぶ減ったし、これで管理しやすくなったぞ! あははははははは!」


 ゲームマスターは、愉快で堪らないといった感じで、軽快に笑い続けた。

 私は、さすがに腹も立ち。

 何か一言いおうとした。


 だが、ゲームマスターは、ここで意外なことを言いだした。


「ふう。……合格だ。それじゃあ、木ノ神くんと長谷則くん? だったね? 君たちには、仕事をしてもらうことにする」

「し、仕事ですって?! ふ、ふざけないで!」

「ふふふ。ふざけてなんかいない。さあ、そこから、外へ出て。そう。喫茶店から小道にまた戻って、大通りにでてくれればいいんだ。あ、今度はちゃんと歩かなくてもいいんだよ。じゃ、一旦。電話を切るよ」


 私は、長谷則に電話でのやり取りを知らせ、慎重な歩きで小道へと向かった。


「今の電話が、ゲームマスターから?」

「そうよ」


 規則的な野良犬の吠え声のする小道を進んでいると、またスマホの着信メロディーが鳴り出した。


「やあ、そこから少し先にあるビル。君たちには、目の前にある。あの大きなビルが見えるだろう。そこは、幸多田インダストリー社の支社だ。そこで、働いてもらうんだ。仕事内容は、OUTLINEというゲーム内の総合管理だ。清掃。人事。システム開発など。OUTLINEという君たちが今いるその世界そのもののゲーム内で、そこで、自分たちで自分たちの世界を運営してもらうのさ。どうだい? とても興味深いだろう。給料ははずむよ」

 

 そういえば、ここへ来てから夜中だったのだが。この世界。OUTLINEの世界には、朝も昼もないようだ。まだ、それほど時間は経っていないのだろうが、腕時計を見てみると、もう朝の5時になっているからだ。なのに、東の空はちっとも明るくはならない。


「ゲームマスターは、一体どこから電話を掛けてるのかな?」

「さあ、多分。とても散らかっている机からよ」 

 

 長谷則の問いに、私は皮肉を返した。

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