番外編 『俺は魔剣、しゃべるし、ちょっと毒舌だ。』

……おう、聞こえてるか?

俺の名前は《ナグラヴェール》。いわゆる“魔剣”ってやつだ。


ただし、よくある「闇に飲まれし伝説の武器」じゃねぇ。

俺は**“ちゃんと喋れる系の知性持ち武器”**なんだよ。しかも、割と達観してる方だと思う。


ま、こっちの世界じゃ珍しくねぇけどな。むしろ無口な武器の方がレアだ。


俺が宿ってるのは、黒髪の皮肉屋――ノクスって野郎の手元だ。

あいつ、なかなか筋が良い。ぶっきらぼうだが、根は仲間想いだしな。


でもたまに、**“かっこつけすぎて台詞が中二病くさい”**のが玉に瑕だ。


 



◆ ノクスというバカ(でもまあまあイイやつ)


ノクスの口癖は「復讐だ」だの「許さない」だの。

まぁその気持ちはわかるよ。人間にひでぇことされたら、当然そう思う。


ただな、俺から言わせりゃ――


「復讐? いいねぇ、ド派手にやろうぜ。

でも、やるなら“意味ある仕返し”にしろ。

相手の根っこから潰すってやつな」


って感じよ。


最近は仲間が増えたおかげか、

ちょっとずつノクスの“人間味”が戻ってきてる気がするな。


 



◆ クールな獣人ルナ(たまにガチで怖ぇ)


ノクスに忠誠を誓ってる参謀、ルナ。

こいつは冷静沈着、分析タイプ、そして――たまに笑わないからマジ怖い。


でもな、ノクスが寝てる時、

あいつの隣でこっそり尻尾を振ってたりすんの、俺は知ってる。


しかもこの前――


「ノクス様は……もう少し、人間らしく笑ってもいいと思う」

とか呟いてて、

俺、鞘の中で「ニヤッ」としちまったわ。


ちょろいね、この獣人。


 



◆ ラキ、チビ、元クズ枠(最近伸びしろある)


チビのラキは最初、

「俺、魔剣さんとは相性よくないっすよね!? 殺されそうで怖いッス」

とか言ってた。


当たり前だろ。俺は選ばれし者しか使えねぇ。


でもな――最近、ちょっと見直してんだ。


アイツ、仲間のために自分を盾にしたり、

“雷刃”を発現させたりして、**「最弱のままじゃ終わらねぇ」**って気合いがある。


ま、まだ10年は早ぇけどな。


 



◆ 影野郎ネムリ(闇落ち一歩手前からの復活)


ネムリって野郎は、ずっと“感情死んでます”みたいな顔してたが、

この前の精神世界で全部ぶちまけやがったな。


「俺は……怒っていいんだな」


あの時は――正直、俺もぐっときた。

てめぇの弱さと向き合うってのは、簡単じゃねぇ。


だから俺、ちょっとだけ“いつもより軽く振れる”ようにしてやった。

感謝しろよ、ネムリ。


 



◆ お前ら、人間ってのは本当に……


戦う理由。

生きる意味。

裏切られても、信じることをやめねぇ仲間たち。


……正直、俺みたいな“意思持ちの武器”からすりゃ、

お前ら人間ってのは、めんどくせぇ生き物だ。


でも――


「誰かのために振るう剣」は、

「ただの殺す道具」より、何倍も強い。


ノクス、テメェがそういう剣士になるなら、

俺も――“最後まで一緒に振るわれてやる”よ。


 



◆ ナグラヴェールのひとりごと(おまけ)

• 「ノクスよ、もうちょいセリフ短くまとめろ。毎回キメ台詞が長ぇ」

• 「ルナに背中向けられると、刃の温度が2度くらい下がる。あれは本能的恐怖だ」

• 「ラキ、俺の柄を磨くときは手汗を拭け。本気で気になる」

• 「ネムリ、お前の影、時々俺を勝手に鞘にしまうな。斬りたがってんだよ俺は」

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