第2話 トーラー


キャラB:「ねえ、Aくん。トーラーって知ってる? 今日の世界史のテストで出てきた問題なんだけど」

キャラA:「ろーらー? ころころと回してゴミを巻き取るやつのことか。そんな問題、世界史にあったけな……」

キャラB:「呆れてものも言えないとは、まさにこのことね」

キャラA:「なんだよ。また僕がやらかしちまったのか?」

キャラB:「セレンディピティ! それに気づかないAくんの愚かさにはまた失望させられるけど。思いがけない発見というのもあったわ! これからどう、Aくんを拷問しようか、とずっと悩んでいたんだけれど、ローラーを使って、脳みそをペーストしてから捏ね直してあげれば、Aくんをリセットできるわよね」

キャラA:「発想が猟奇的過ぎるだろ……。 何、僕、これから拷問を受ける予定だったの!?」

キャラB:「話を戻すけれど」

キャラA:「さらっと戻された……」

キャラB:「トーラーはヘブライ語で書かれた聖書の五つの書——創出記、出エジプト記、レビ記、民族記、申命記——いわゆる『モーセ五書』を指すのよ。Aくんもシナイ山でモーゼが十戒を授かる出エジプト記くらいなら知ってるんじゃない?」

キャラA:「ああ……じいさんが天に向かって腕を上げると、川が二つに咲かれて道ができるシーンだったけ」

キャラB:「ええ、そうよ。そのじいさん、もといモーゼは神から十戒というものを授かるのだけれど、ちょうどAくんにも覚えてもらいたかったのよ」

キャラA:「十戒を?」

キャラB:「1.あなたには、Bのほかに神はいらない。2.私の名を毎日、朝昼晩、唱えなさい。3.365日、私を聖とせよ、崇めさない、跪きなさい。4.私を敬え。5〜10.浮気したら、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す」

キャラA:「………………」(後半十戒じゃねぇじゃん)

キャラB:「今日の朝、Cさんと一緒に登校してたわよね。神である私という存在を前にして、よくも他のメスと息を交換しあうなんて真似ができたものね」

キャラA:「いつから僕の神になったんだよ。それに息を交換し合うって……もう突っ込みも間に合わねぇ。でも……あれは日直の手伝いを頼まれただけなんだけど」

キャラB:「殺す」

キャラA:「待て待て! フォークを喉元に突きつけるな! それに……」

キャラB:「それに、何よ?」

キャラA:「僕たち、まだ付き合ってすらないだろ」




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