喫茶店シリーズ
もっちー
第1話 ポンゾ錯視
キャラA:「なあ、B、ポンゾ錯視って知ってる? ほら、線路みたいな背景に同じ長さの線が2本あるのに、奥のやつが長く見えるってやつ」
キャラB:「そんなこと赤子の頃から知ってたわよ。何? Aくん、いまさらそんなことを知って驚いているなんて、ゴミね」
キャラA:「なんで軽い雑談を振っただけでゴミ呼ばわりなんだ!? いや、ほら、脳が勝手に『遠くのものはデカいはず!』って決めつけるらしんだけど。人間の目って、めっちゃ騙されやすいよなって……」
キャラB:「脳が奥行きを捏造するから起きる現象よ。収束線が視覚の単眼的遠近法を刺激して、知覚を歪ませるの。同じ長さの線なのに、遠くのものが大きく見えるなんて、脳の思い込みの粗雑さが露呈してるわね。かくいうAくんも、私の裸を見た時より、赤い紐で身体全身を締め付けられた時の方が興奮してたじゃない。どちらも同じ私なのに」
キャラA:「いつ僕がそんな変態的なことを要求した! それに僕はお前の裸を見るどころか、まだ手すら握らせてもらってないんだが……」
キャラB:「それはいやよ。童貞が感染るわ」
キャラA:「それも思い込みだろ……」
キャラB:「他にもそうね。矢羽の向きによって線の長さが違って見えるミュラー・リヤー錯視とか、囲む円の大きさによって対比する円も変わって見えるエビングハウス錯視とかもあるわ。」
キャラA:「へぇー、詳しんだな。じゃあそうなると、今、僕が目で捉えているBの姿と、実際に見えている姿は違うかもしれないってことだろ」
キャラB:「ぱちぱちぱち。おめでとう、よく理解できました。」
キャラA:「……ウザい」
キャラB:「ええ、そうよ。猿の分際でよく理解できたわね。これぞ世紀の発見ってやつ? 今、感動で涙が出てきたわ」
キャラA:「本当に泣いてる!」
キャラB:「あ、そうそう。錯視といえば、もう一つあるわ」
キャラA:「もう一つ?」
キャラB:「Aくんが今見えている私と、実際の私はまるで違う。別人って言っていいほどに、ね。その違いが分かるかしら?」
キャラA:「えっと……化粧をしている時と、すっぴんの時の違い、とか?」
キャラB:「最低ね。これだから童貞はゴミなのよ。死ねばいいのに」
キャラA:「ぼ、僕が悪かったから! 頼むから! 眼球にフォークを突きつけないでくれ!」
キャラB:「じゃあ、Aくんが何を錯視していて、私が何に錯視させられているか、当ててご覧なさい。そしたら、このフォークも下げてあげる。ヒント、私をじっと観察すること」
キャラA:「僕が何に錯覚していて、Bが何に錯覚させられているのか……Bの顔が赤い? も、もしかして、僕に惚れた、とか?」
キャラB:「一目惚れも錯覚の一つよ」
キャラA:「……僕はお前が怖いだけなんだけど」
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