第31話 オズワルド襲撃
ライガが大帝国にて大帝であるクルーズに修行をつけて貰って早いもので半年が経過した。そんなある日の夜にオズワルド方向から巨大な爆発音が聞こえて煙が上がっている。それに気づいたライガは何か知っているであろうクルーズの所へと向かう。
「おい! オズワルドから爆発音が聞こえたぞ! テメェらオズワルドに襲撃を仕掛けたんじゃねぇだろうな!」
「落ち着けよ。確かに俺様はオズワルドに襲撃を仕掛ける予定だったがそれは今じゃない。何せお前らのトップが魔王だと知ってるからな。簡単には手出し出来ない」
「その準備はしているだろ」
「その通り。だが準備完了とはいかない。何せ魔王というのがどれだけの力を有しているのかがわからないからな。魔人だったギールスを殺すのすら時間がかかったんだ。それも死にかけの状態のだ。そんなバケモノ連中を殺すなら準備はし過ぎるに越した事はないから俺様は最低でも5年は必要だと思っていたんだ」
「それを信じろってのか」
「そうだ」
「クソが!」
クルーズの部屋を飛び出すライガ。
「お前の修行は終わってないんだぞ。今戻っても死ぬだけだぞ」
「知るか! アルス様の魔法騎士として俺は帰る!」
雷化を使用してライガは一瞬で大帝国から離脱する。それを見届けてクルーズは、
「はぁ〜優秀な駒を失う訳にはいかねぇか」
そう言って通信機を手に取り、
「あ〜俺様だ。これからオズワルドに向かう、、、、一体何者なのかは知らないがバケモノの巣窟であるはずのオズワルドの大混乱。これを逃す手はない。五天星は音速旅客機に乗車しろ」
クルーズは愛刀を手に取りオズワルドへ出発準備をする。
(無事でいてくれ! アルス様!)
雷化により一瞬でオズワルドに帰って来たライガであったがオズワルドは酷い状態だ。あちこちから死臭が漂っている。
「何があったらこうなるんだ。一体誰がこんな事をしたんだ、、、、いや、今はアルス様と合流だ」
これだけの酷い惨状となれば王女としてアルスは王宮にいると踏んでライガは王宮へと向かう。それと同時に大帝国から音速旅客機が離陸した。
「今回はオズワルドの混乱に乗じて魔王、魔人、王族更にはこの混乱を起こした張本人を討伐する。そうする事でオズワルドの人間たちからの信用を得て大帝国のものとする」
「なるほど。ですがオズワルドは魔法を使わない我々を見下していますが?」
「そうだな。だから恩を恩とも思わないようなら処理して構わん」
「了解」
今回の目的を伝えたあたりでパイロットから、
「オズワルド領に入りました。パラシュートの準備を」
と言われて全員が降下準備をしたのだが突然旅客機から煙が上がったかと思えば爆発して旅客機はバラバラに吹き飛んだ。
「ゲホッ! 何が起こったんだ」
煙が上がった段階でやばいと思ってギールスたちは降下した。しかし、
「パイロットは助けれなかったな」
位置が悪かったし脱出もギリギリだったのでパイロットは助けられずに爆死させてしまったのを悔しく思うギールス。
「おまけに爆風で五天星と離れちまったな。全員降下出来たのは確認出来たから心配する必要はないな」
全員が無事に降下出来たのは遠くでパラシュートが開かれているのを見ているからだ。
「まぁ、目的は伝えたし各々が動くだろ」
そう言って着陸するクルーズ。
「酷い死臭だな。ここまで派手にやってるのはどこのどいつだ? 魔人が混じってない王族2つか? だが国民を殺す意味はない。だとしたらどいつだ?」
首謀者を考えるクルーズの後ろに気配を感じて剣を振り抜く。
「!」
非常事態なのもあって様子見などではなく本気の一撃をあっさりと止められて驚く。自分の本気の一撃を止められるほどの手だれに距離を取る。背後にいたのは黒コートの男。
「何者だ? お前が今回の首謀者か?」
「そうだ。こちらも聞きたいのだが何故オズワルドのゴタゴタに大帝国の大帝が出張って来た」
「オズワルドを滅ぼすのが俺様たち大帝国の目的だからな。この混乱は利用するのは当然の流れだろ」
「そうか。だがお前らの出番はない」
そう言って黒コートの男が視界から消える。
(速い!)
速度が敵の方が上ではあるが初撃を防ぐのだが剣に傷がつく。
(ライガとの戦闘経験が活きた。雷速にすら対応出来る俺様を速度で殺すのは不可能だぞ)
初撃を防がれたが動揺する事なく黒コートは、
「思ったよりもやるな。流石は大帝国のトップ。手を抜くのは失礼だったな。本気でやろう」
「上等だ。俺様も本気を見せてやろう」
2人の殺気が辺りを埋め尽くした瞬間2人の姿が消えた。そして姿が現れた瞬間にクルーズの首が宙を舞った。
「残りの大帝国の連中も狩ってから王宮へと向かおうか」
フードが外れて現れたのはクウガ。そのクウガは通信機を取り出すと、
「マタタビ、大帝国の連中の侵入を防ぐのはお前の役割だろ。何をしていた」
「ルーン家の2人と戦闘中にゃ。電磁波で旅客機は堕としたんだから仕事はしてるにゃ」
「だったら許す」
「許すってそれはアリス様のセリフだにゃ。お前じゃにゃいだろ」
「いいからお前はその2人を殺せ」
「了解にゃ」
通信を切り、
「さて、アリス様は目的を達成したかな」
クウガの視線の先、王宮は燃え盛っていた。
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