5年ぶりに自傷行為してしまった。

Unknown

【本編】

 ※このエッセイには自傷やOD等の描写があります。


 ◆


 特別な出来事があったわけじゃないけど、昨日はとても気持ちが辛い1日で、ボロボロ泣いて、5年ぶりに自傷行為をした。今回はその話を書きます。


 俺の自傷行為に関して書くので、もし今、精神状態がとても不安定だったりする人は読まない方がいいかもしれません。


 あと、今の俺の気持ちは落ち着いています。


 それでは書いていきます。


 ◆


 23歳の時を最後に自傷行為を一切していなかったのだが、2025年の5月24日の土曜日の夜に、5年ぶりに自傷をしてしまった。久しぶりにやっちまった。


 具体的には、タバコの火を左腕に11か所も押し付けた。いわゆる根性焼き。今はブドウみたいな水膨れが沢山できている。針などで刺したら腕から水がビシャって出るはず。やらないけどね。


 4月10日から断酒しているのが急に辛くなってしまったのと、孤独なのが、あまりにも辛すぎてボロボロ泣いてしまい、俺はどうしても酒が欲しくなってしまった。でも俺は絶対に酒は2度と飲まないと決めている。一生飲まないと決めている。そのうち、俺が今まで傷付けてきた色んな人の事を自然と思い出して感情がぐちゃぐちゃになり、ひとしきり泣き終わった後、俺は自然とタバコの火を腕に何か所も押し付けた。


 それが自傷に至った経緯だ。酒を飲む・飲まないという葛藤を鎮めたかったのも自傷の理由だし、単純に生きているのが辛いというのも自傷の理由だった。


 俺はもう絶対に酒は飲みたくない。俺が酒を飲み始めると、気が狂うまで飲み続けてしまい、家族はもちろん、ネット上の友達や知り合いまで傷付けたり迷惑を掛けたりするからだ。もう人を傷付けたり迷惑を掛けるのが嫌だ。


 だから、連続飲酒がまた始まってしまうよりかは、自傷で気を紛らわせた方が、遥かにマシだ。と個人的には思う。


 28歳にもなって何やってんの。と思われるかもしれないが、自傷をしてまでも俺は酒を本気で一生飲まないつもりでいるんだ。


 俺の中では、飲酒より自傷の方が遥かにマシだ。


 俺は単純に生きるのが辛くてしょうがない。俺はリストカットやアームカットはほとんどしたことが無いが、根性焼きは今までよくしてきた。5年ぶりにやった。むしろよく5年も自傷をやらずに生きてこれたなと思う。


 吐き出せる場所がここしかnaikara,ここで吐き出させてくれ。今、タバコを吸いながら片手でパソコン打ってたら変なキー押してローマ字になったけど訂正しない。


 俺は社会不適合者なりに頑張って生きているつもりでいる。月曜から金曜まで在宅の作業所で働いている。レグテクトという飲酒欲求を低下させる薬は1日に6錠も飲んでいて、断酒も続いている。間違いなく俺は正しい方向へ進んでいる。


 なのに心が空っぽで仕方ない。心からスカスカと大事な何かが毎日抜け落ちていく。「The Novembers」っていうバンドの「こわれる」の歌詞を思い出す。「こわれる」とても良い曲なので聴いてみてください。歌詞がとても退廃的で良いし、曲自体もかっこいい。ノーベンバーズの曲だと「dnim」とか「she lab luck」とか「理解者」とか「鉄の夢」とか「!!!!!!!!!!!」とか「I'm in no core」とか「白痴」も大好き。1回だけノーベンバーズのライブに行ったことがある。最高にかっこよかった。


 ちなみに「!!!!!!!!!!!」はNirvana感が半端ない。Nirvanaの曲と言われても信じてしまうくらい、カート・コバーン味を感じる。聴いてて気持ち良すぎる。「!!!!!!!!!!!」は、Hallelujahというアルバムに収録されている。


 ノーベンバーズのライブに行った時、俺が大好きな「理解者」や「鉄の夢」を演奏してくれたのが忘れられない。「鉄の夢」はライブだとかなり化ける曲だと思った。鉄の夢、最高の曲だ。


 話が逸れた。今、ノーベンバーズの「鉄の夢」を聴いています。静かに始まって徐々にボルテージが盛り上がっていく曲の構成がマジでかっこいい。


 自傷しても気分が一時的に紛れるだけで、落ち込んでいるのは変わらないですが、酒を飲むよりはタバコの火を腕に押し付けて飲酒を我慢したほうが遥かにマシかなと思いました。


 今まで積み重ねてきた断酒をやめたくない。あるネット記事によれば、断酒は3ヵ月を超えるとポジティブな気分になって楽になるらしい。俺は4月10日から5月25日の現在までずっと断酒が続いている。日数にすると、45日くらいか。だから、あと半分乗り切ったら楽になれるはず。3ヵ月断酒が続いたら、2025年を乗り切れそうな気がする。


 俺は発達障害のせいで嫌われるのではなく、酒のせいで嫌われた体験ばかりだなあと思う。ばかりというか、酒が全てだな。酒を飲むと、記憶がほとんどない時に暴言を吐くこともあったし、酒を飲めば躁状態に戻ってしまって再び大暴走する可能性もあるし、この自傷は俺にとっては必要な自傷だったと思う。新しい根性焼きの箇所を数えたら、11個あった。


 11回やってしまった。5年前の古傷は今もくっきり腕に残ってて、一生消えないんだが、今回の傷も一生消えない。


 何かあったわけじゃないけど、昨日は精神的にとても辛かった。この辛さや孤独感が一生続くなら酒を飲んだ方がマシだなと思ってたら感情がぐちゃぐちゃになり、今まで俺が人生で傷付けた人たちのことも自然と思い出してしまい、ボロボロ涙が出てきて、しばらく泣いた。そのあと、自然と心が自傷へ向かった。5年ぶりに自傷した。


 自傷する人達に関して、色んな考えがあると思うけど、俺が思うに自傷はその人が生き残るために付けざるを得ない傷なのだろうと思う。


 心のダムが決壊したら、体を傷付けるしかなくなる。そういうものだと思っている。


 16才の時にネットで知り合った同い年の女の子が当時LINEでよく自傷の写真を送ってきて、それを見る度に俺は強く「もうこんなことやめてほしい。自分を大事にしてほしい」みたいなことを言っていたが、的外れな言葉だったと思う。


 28歳の今の記憶を持った俺が16才の自分に戻ったとしたら、自傷しているその子に掛ける言葉は「辛かったね。●●は頑張ってるな。何もしてやれなくて心苦しいけど俺は味方だよ」とかになるのだろうか。ありきたりなフレーズだが。


 少なくとも今の俺は、人の自傷そのものを否定する言葉は絶対に投げかけない。


 ちなみにその子は俺の初恋の女の子だった。


 今どこで何をしているのかは知らない。


 ◆


 俺が成人を過ぎてから仲良くなった友達や知り合いの多くが自傷癖を抱えていて、俺もまた例外ではなかった。20歳の頃には仕事も辞めて実家でニートになり、病み散らかしていた。


 俺は自傷する人の気持ちが分かる。というか、もはや日常の中で当たり前のような感覚になっていたから、当時、友達の誰々が腕を切ってる画像をTwitterに投稿していても、特になんとも感じなかった。あーまたやってるな。くらいの感覚しか持てなかった。感覚が麻痺してしまっていた部分はかなりある。


 何年も前の話になるが、俺は当時2ちゃんねるのVIP板で「死にたい」という名前のスレッドを頻繁に立てていたコテハンの奴から誘われて、20人規模くらいのTwitterのコミュニティーに属していた過去がある。そのコテハンの女性がたまたまネットで俺の小説とかエッセイを発見してくれて、カクヨムからツイッターをフォローしてくれて、そのままコミュニティーに誘ってくれた。


 そのコミュニティーの主宰者(俺を誘ってくれた人)は女性で躁鬱病で引きこもりでかなりメンタルを病んでおり、いつも酒やブロンを飲んでいた。自傷も半端じゃなかった。


 ちなみにそいつは本当に良き友って感じだった。異性という感じがしなかった。仲間のような感じだった。元々その人はかなりフランクな性格で、俺が敬語を使ってたら、


「おい、なんで私に敬語使うんだよ!!!!!!!!! 殴るぞ!!!!!!!!!!!!!!」


 みたいに言われたので、それ以降ずっとタメ語になった。


 俺は若い頃からsyrup16gというバンドの大ファンだが、そいつとの出会いは、俺が人生で初めて「野良のsyrup16gファン」と知り合った瞬間でもあった。シロップ16グラムについて話し合った時間は多い。ニコニコ生放送で一緒にライブ映像を見ながらDMでやり取りしたこともあった。


 ちなみに俺は今年の7月にsyrup16gのライブに行くのを楽しみにしている。会場どこだっけ。東京なのは覚えてる。


 その前に6月に渋谷で「山田亮一とアフターソウル」の単独ライブを1人で見てくる。めっちゃ楽しみだぜマジで。なにしろ人生で初の生の山田だからな。アフターソウルはハヌマーンやバズマザーズ時代の曲も演奏してくれるそうだ。Xで誰かが言ってた。


 話が逸れた。


 ちなみにそいつにタバコを教えたのは俺だった。朝の5時とかに「おいUnknown、私は今からコンビニでタバコ買ってくるぜ」とDMを送ってくれて、綺麗な田園風景の写真も添えられていたのをよく覚えている。


 その人は2020年に亡くなってしまったが、今も記憶は色あせない。


 何年も前、俺がDXMを初めてODしまくってラリった時に一番心配してくれたのはその人だったし、俺が3ヵ月も精神科に入院していた時に毎日スマホに連絡をくれたのはその人だけだった。


 彼女は躁鬱病でアル中でヤク中でニコチン依存で引きこもりだが、本質はめっちゃ陽気で、みんなを巻き込んで楽しい空間を作る天才だった。人道的にアウトな過激な発言もかなりあったが、誰かが落ち込んでいると励まして明るくさせていた。根っこは優しい人だった。


 ちなみにその人は障害年金を貰っていて1人暮らしだった。俺も今はその人と似たような境遇で、障害年金を貰っていて1人暮らしだ。4月から在宅の作業所を始めたので、その工賃も貰えるようになった。時給300円でも俺にとっては大きい。あと障害年金を貰えていなかったら、俺は今でも実家暮らしかもしれない。1Kのアパートで1人暮らしを始めて3年目になる。


 俺が精神科に入院してる時にTwitterのDMで「おいUnknown、人って死んだらどうなるの?」とそいつに聞かれたから「無になるだけじゃない?」と返したら「でも私たちって無から生まれてきたわけじゃん。だから死んで無になったとしても、また生まれてくるんじゃないの? 私は死んだら2度と生まれたくない。死んだら人はどうなる?」と聞かれ、返答に困ったことがある。俺が「死んだこと無いから、わかんねえよ」と返すと「お前は文豪なんだから分かるだろ!!!!!!!!」と返された。


 わかるわけない。だってまだ死んだこと無いから。


 俺はたまに自分で自分を「文豪」と呼ぶが、実は世の中で一番最初に俺の事を文豪と呼んでくれたのは、他でもないそいつだった。「Unknowuは文豪だから生きろよ」と言われたのを今でも覚えている。俺が「●●●も生きてくれよ」と返信したことも覚えている。


 そいつは元々、小説家になろうというサイトで俺を知ってくれて、カクヨムでも俺の文を読んでくれていた。


 俺は昔から2ちゃんねらーだったから、そいつがVIP板のコテハンだったのも俺は元々知っていた。数奇な出会いだった。とにかく騒がしい奴だなという印象と、常に寂しがっていた印象が強い。


 ちなみに俺も根っこは寂しがり屋だ。


 あと、そいつは、俺が適当にユーチューブに投稿しまくったsyrup16gの歌ってみた動画もめっちゃ見てくれた。(当時のGoogleアカウントにログインできなくなったから、動画は永遠に消せなくなった。「Unknown syrup16g」とユーチューブで検索すれば当時の俺が歌ってる動画が見れると思う。興味がある人は見てくれ)


 あと、THE BACK HORNの「ひょうひょうと」という曲をそいつに勧めたらめっちゃハマってくれた。


 そいつは読書家でもあった。「火山の下」っていうアル中が主人公の海外小説を勧められて読んだことがある。作者はマルカム・ラウリーという人だ。


 今は消されているが、彼女は生前、はてなブログをやっていて文章力がかなり高かった。お前も文豪やんけと思い、「●●●も文豪だ」と言ったら、「Unknownには勝てない」と言われた。かなり頻繁にブログを消しては復活するのを繰り返していて、そこは俺に似ていた。俺も今まで何度もアカウントを消して失踪した。だから今も俺を追ってくれている人には感謝したい。


 俺が精神科に入院してる時に、そいつがブロスタというマルチ対戦型のスマホゲームに俺を誘ってくれて、病室で遊んでいた。


 思い出すとキリがないので、この辺りにしておく。


 そいつが自殺したと5年前に共通の知人によって知らされた時は、ショックでしかなかった。


 死にたい死にたいと言いつつも、生きてくれるものだと俺は勝手に思ってしまっていたからだ。ほぼ毎日そいつからDMで挨拶のように「死にたい」と来て、その度に俺は「俺も死にたい」と返していた。


 なんとなく、あの人は死なないような気がしていた。というか、俺の勝手な願望で死んでほしくなかっただけだが……。


 今でも、「あいつが生きていてくれたらなあ」と思ってしまうときがある。


 あの人は、俺みたいな精神が病んでいて孤独な人ばかりを自分のコミュニティーに引き入れて、みんなで盛り上がっていた。そういう空間を作る天才だった。謎のカリスマ性もあった。


 超過激な言葉で俺を罵倒しまくったり、平日の朝から一緒に酒を飲んで笑ったり、一緒にゲームしたり、くだらないことで盛り上がったり、死にたいと言い合ったり、そんな生活が続くものだと思ってた。でも世の中に絶対続くものなんて無いんだな。


「●●●は頭がおかしいキチ●●だ」と周りから言われていたが、正直言って俺の方があいつよりもキチ●●だと思う。


 あの人が亡くなって5年が過ぎた今は、「もうあいつは苦しい思いをしなくて済むんだな」と思うようにしている。「自殺」という行為を否定してしまったら、あいつの人生そのものまで否定する事になってしまう。だから最期の決断を尊重している。


 あの人はエンターテイナーの素質が半端なくあったと思う。求心力が凄かった。だから「配信者になれば絶対●●●は成功するぞ」と配信者の道を勧めた事がある。


 あいつはもう死んでしまったけど、今の俺が必死になって断酒してるって言ったら、あいつは確実に「断酒なんてするなよ!!!!!!! お前は酒を飲め!!!!!!!!!」とキレるに違いない。


 でも、断酒しないと俺は永遠に変われない。


 昨日、根性焼きでブドウみたいな水膨れが11個も出来たが、これは飲酒を再開しないための前向きな自傷だと俺は捉えている。


 前向きな自傷なんて無いのかもしれないけど、俺はもう絶対に酒は飲みたくない。でも心が割れそうだった。だから自傷した。


 俺が酒を飲み始めると、気が狂うまで飲み続けてしまい、家族はもちろん、ネット上の友達や知り合いまで傷付けたり迷惑を掛けたりする。もう嫌だ。


 ◆


 後ろ向きな事ばかり書いてもつまらないので、前向きな言葉も書きたいと思っている。


 俺には理想がある。


 いつかは誰かと隣り合って同じ景色を見て笑ってみたい。


 その理想は、俺の生涯を賭ける価値が間違いなくある。


 泣いてるだけの人生で終わるつもりは無い。俺は理想の未来を掴み取るまでは死なない。掴み取っても死なない。どうにかしてそれを維持するために生きる。仮に失ったら、また新しい理想を探せばいいだけだ。


 イメージできなかった自分の姿を今年になって初めてイメージできるようになった。もう俺はリアルで誰かと会っても全く緊張せずに笑顔で居られることも今年になって分かった。


 1人で泣きまくっても、5年ぶりに激しく自傷しても、俺は頑張っている。


 明日からまた仕事だ。今週は月曜から土曜まで仕事を頑張る。作業所だから休んでも何も言われないんだけど、俺は今まで仕事を休んだことが1度も無い。少しでも金が欲しいから。自分の力で金を稼げるのが嬉しいし楽しい。B型作業所だから、時給300円だけど。でもB型で300円って高い方なんだぜ、これでも。


 俺は頑張っているつもりだ。頑張っていれば、いつかご褒美があるはずだ。ご褒美が何も無かったら神のせいだ。


 人間は少しずつしか変われない。


 俺は酒をやめる。一生。


 絶対にこれだけは揺るがない。


 酒をやめないと俺は幸せになれない。


 少しずつで良いから俺は前に進む。世間にどれだけ負けても構わないから、俺は自分にだけは負けたくない。


 ただそれだけの気持ちで生きている。俺は俺に負けたくないです。他人と自分を比較することは無いが、自分と自分を比較する事はよくある。自分に負けたくないからだ。


 昔、文豪と呼ばれた人間の多くは自殺している。しかし令和の大文豪である俺の辞書に「自殺」の2文字は無い。


 今はベッドに横になり、目を閉じていた方が楽なので、そうする。


 鬱状態とまでは行かないが、鬱っぽい気分だ。俺は重い鬱の経験もあるから、そこが俺が鬱かどうかの基準になっている。


 あまり食欲が無いが、さっきパンを食べた。


 窓を網戸にしている。今日は曇りだ。俺の心も曇りに近い。車が通過する音が頻繁に聞こえる。みんなどこに行きたいんだろう? と不思議に思う。俺は出来るだけ部屋の中にいたい。


 最後になるが、時間を割いてこの文を読んでくれた人の明日と俺の明日が、今日より少しでも良いものになる事を祈りつつ、この文を終える。


 








 終わり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

5年ぶりに自傷行為してしまった。 Unknown @ots16g

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ