第2章 様々な出来事の絡み合い
第2話 エスカレーター、どっちが歩く側?
朝8時、今度は上りエスカレーター。田中が急ぎ足で乗ると、前に立つ佐藤が右側でじっと立っている。
「すみません、通してもらっていいですか?」
田中が声をかけるが、佐藤はイヤホンで気づかない。ちょっとイライラする田中。
後ろから来た小林が「あ、最近は『歩かないで』ってアナウンスされてるから…」とぼそっと言う。
田中は「あぁ、そうでしたね…」と一瞬戸惑いながらも、諦めて足を止める。
その後、3人は無言で上まで運ばれていく。
---
第3話 ホームのベンチとカップ麺の匂い
昼下がり、空いてきた駅のホーム。中村は部活帰り、ホームのベンチでカップ麺をすすっている。
隣に座った山口が、鼻をひくつかせながらスマホで仕事のメールをチェック中。
「すいません、においきつかったですか…?」と中村。
「いや、大丈夫っす…お腹すいてきただけなんで…」と山口。
微妙な空気を残して、電車が来る。二人とも何事もなかったかのように乗り込む。
---
第4話 急いでいるときに限ってSuicaがエラー
朝の改札。小林が急いで通ろうとした瞬間、「ピンポーン!」とエラー音。
「うそ、残高足りない!?」と焦る。後ろには田中が並んでいて、また舌打ちしそうになるも、ふと前回の件を思い出して我慢。
「すいません…」と謝る小林に、田中が言う。「気にしないで。俺もよくやるんで」
そのまま何事もなかったかのように改札を通過する二人。
第5話 傘のしずく、落ちてますよ
雨の日の朝。ホームで電車を待つ佐藤の傘から、大きな水滴が中村のリュックにぽたぽた。
中村が少しだけ後ろに下がるが、それでも濡れる。
そこへ現れた斉藤駅員が、ティッシュを差し出しながら「よかったら拭いてください」と微笑む。
佐藤が「あら、すいませんねぇ…」
中村は「いえ、大丈夫っす」と苦笑い。
電車が来ると、やっぱりみんな黙って乗り込んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます