第9話

「婚約者⁈」

 女の子は目を丸くしたまま、修哉の顔を見ている。

「まあ……親が勝手に決めた人なんだけどさ」

「そんなの時代錯誤ー!恋愛はもっと自由でいいと思うよ。だから私と付き合って」

 女の子は何を勘違いしたのか、修哉に迫って来た。

「俺にはその気はないから」

「親の言いなりに結婚するなんてつまんないじゃん」

 女の子は口をへの字に曲げている。

「あさひ重工の社長令嬢なんだけど、君、勝てるの?」

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