(2)

 ブリーフィングと言っても、やってる事の8〜9割は、事務的な確認だ。

 必要な備品はちゃんと有って、使用申請は済んでるか?

 凡ミス的な事前の見落としは無いか?

 しかも、任務は単純。「今回のみの特殊なナニか」なんてモノは有りはしない。

 不祥事を起こした警察官1名を福岡市内で行なわれる査問の為に久留米市内から移送するので、その護衛をしろ。

 異能力犯罪専門の警察機構カイシャの前線部隊がやる仕事には思えない。

 あとは経路の確認に……って?

「あの、眞木さん、何やってんですか?」

「いや……それが……」

 ブリーフィング中なのに副隊長が携帯電話ブンコPhoneをいじっていたんだが……。

「変だ……。えっと……他の警察機構カイシャに勤めてる知り合いから……軒並SNSでブロックされてる……」

 え……?

「ちょっと待て……マジかよ……俺もだ……」

 続いて隊長も……。

「あと、通信アプリMeaveのグループからも軒並BANされてます……えっと、警察関係のヤツ全部……飲み会とか警察学校の同期会とかも全部……」

 ……。

 …………。

 ……………………。

「おい、猿渡の阿呆が無事か、すぐ確認しろッ‼」

「どこに連絡すればいいんですかッ?あんた、隊長なら、もう少し具体的な指示……」

「だから……ッ‼ 眞木は、広域組対マル暴の猿渡の糞の所属部署、大石は同じく広域組対マル暴の監査部門、池田は、今、猿渡のド腐れ野郎を押し込んでる警察職員用の官舎。あと、広域組対マル暴の奴に個人的な知り合いが居る人は、全員、そっちのルートで情報を集めてくれッ‼」

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