第1章:北北西に進路を取れ
(1)
「あれ? あんたらがレンジャー隊の追加? 3人死んだのに、追加が2人だけ?」
「は……はぁ……」
「いや、私達以外に誰が久留米小隊の追加メンバーか知らないんですよ」
職場復帰2日目の朝、オフィスに見慣れない顔が2人居た。
2人とも、普段用の制服じゃなくて礼服だ。
1人は男で、もう1人は女。まぁ、「入社」2〜3年目って所か。
マル暴は、どんどん髪型・服装・雰囲気の全部が、ヤクザ地味たモノになっていき、最後には、ヤクザとつるんじまうって訳だ。
そして、この2人は、まぁ、どこがどうと上手く説明するのが難しいが……如何にも「レンジャー隊」です、って顔付きや雰囲気だ。
「ああ、じゃあ、私は眞木桜だ。担当は
「山下と言います。山下壮介。担当は
「松尾
「で、隣の島に居る2人が、
「で、今、居ないけど、
眞木さんが、そう説明してる途中で、その隊長が……。
おい……どうした?
何だ、このゲンナリした表情は?
「隊長、レンジャー隊の補充メンバーっす」
「あ……久留米小隊の隊長の
「一〇時からIT部門の技術屋さんが来てセットアップしてくれる予定っす」
「あ、そ……じゃ……命令書の電子ファイルをメールで送ってるんで、今日中に読んどいて。あと、命令書の内容に疑問点が有ったら、今日中に訊いといて。あ……えっと……」
隊長は
「秋光さんと和田さんも明日の任務に参加してもらうんで。命令書の確認お願いします」
「あの、これ、マジ?」
「マジっす」
「ホントに冗談じゃなくて?」
「冗談抜きで、冗談でも何でも無いっす。ともかく、ここの支局の前線要員全員に、明日の朝一から特別任務が入ったんで、今日中にみなさん、命令書の内容を理解して、装備その他の準備しといて下さい……。あと、帰る前にブリーフィングやります。ああ、森さん」
隊長は、庶務担に声をかける。
「はい?」
「装備の使用許可の手続とか、今日1日で結構有ると思うんで、すいません」
「わかりました」
「あの……これ、マジっすか?」
どうやら、命令書を見たらしい眞木さんが……これまたゲンナリした
「さっき、秋光さんが同じ事訊いたろ。誰が訊いても同じ答しか返ってこね〜よ」
「けど……いくら何でもっ…。」
「冗談抜きで、マジ……大マジ・糞マジ・ゲロマジで、俺達でやれってさ……」
PCのメーラーで……隊長から届いたメールに添付されていたPDFファイルを開くと……。
『「レコンキスタ」久留米支局のレンジャー隊ならびに特務要員(具体的なメンバーは添付1を参照)に対して以下を命ずる』
『組織犯罪対策 広域警察機構 久留米支局所属の猿渡
はぁ?
おい、待て……。
しかも、奴は別
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