学校は二週間の休校となった。それが終わる頃は夏休みが始まる時期であり、学校側はこの事件からなるべく生徒を離したいという意図があっての事だと保護者会で説明がされた。だが実際の所、この事件を処理する事は容易ではなく、そのために取られた時間というところが正しいように思う。月宮楓は例の数学教師と交際関係を持っている事が警察の調べで分かった。一貫して数学教師はそのことを否定していた。

「生徒との交際なんてありえない事です。教師としてあるまじき行為であり、彼女の一方的な感情にすぎません。私は教師として、いや一人の人間として、彼らを更生する義務があります。今後は当該生徒のケアに注力し、職務を全うすることで彼らの人生が実り豊かになるよう全力を尽くすまでです」

 この発言の数日後、彼と月宮楓が某所のホテルに入っていく画像が週刊誌によってリークされ、数学教師は懲戒免職となった。私はこの事件のあと、すぐに救急搬送され、近くの市立病院へと運ばれた。私は病院のベッドの中でずっと夢を見ていた。何事もなくテストで百点を取って、少し気だるげな暑さとそれを冷ますそよ風を頬に受けて、揺れるカーテンの隙間から青空を見上げる。人生という退屈さにやれやれと悪態をつきながら、来たる夏への期待感を募らせて、ノートを撫でる。そんな夢。私はそんな夢を見ていた。けれども、夢は夢。いつかは覚めて、はいおしまい。夢の外へ。終わりの中へ。

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