第2話 追加注文!

翌日の昼頃に、村に商人が来てポーションを買って行く。


「どうだい、綺麗な赤だろう、少し買い取り金額を上乗せしてくれよ」

「うーむ、確かに良い出来だけど……」

商人さんは瓶を見て考えている。


俺としては、値段が上がれば良いんだけどな。


「まぁ、少し余計に置いて行くよ、これで良いかい」

机の上に金貨が置かれると、おばあちゃんはホクホクだ。


「毎度ね、来月も来てくれよ、その時は毒消しも出来る季節になっているからさ」

ポーションは赤い葉っぱ、毒消しは黄色い葉っぱ、マナポーションは青い花が咲く葉っぱだ。


「そうだね、何時も通りに作って置いてくれるか! それとマナポーションはどうにか出来ないかね?」

おばあちゃんは少し考える。


「効果は落ちるけど、出来ない事は無いよ、ただ数はそんなに出来ないんだ」

俺の上の枯れた葉を見る商人さん。


「あれだけでどれくらいの量を作れるんだ?」

「恐らくは10本程だろう、それを作ると新芽が出るまでは作る事は出来ないよ」

「なら作って欲しい、今王都でマナポーションは品切れ気味なんだ、持っていけば確実に売れるんだよ」

そこでおばあちゃんはまた考える、儲ける事を!


「奥の村にも行くんだろう、その帰りに寄ってくれるかね! 少ないけど作っておくよ」

「よし分かった、帰りに寄るから作って置いてくれ!」

「商談成立だね、明後日待っているよ!」

商人さんは店を出て行く、僕におばあちゃんは振り向く。


「さぁまずは水を作ろうかね、今夜は徹夜で作るよ! 冷めないと瓶詰めが出来ないからね!」

ポーションもマナポーションも作り方は同じ、ただ水が冷めるのに時間がかかる。


「夜夕飯を食べたら、鍋に湯を沸かして明日までに冷ますよ、その後は一日中煮て夜に冷ませば、明後日の朝には瓶詰めして渡せるね」

おばあちゃんはマナポーションを作る工程を、手短に俺に言ってくる。


「分かったよ、じゃあ鍋を洗ってくるね!」

「よろしくお願いね、今日も昨日の残った野菜でスープを作るからね」

具も無いスープよりも、少しでも野菜が入っているスープは嬉しい。


鍋を洗って帰る頃に誰か来ないかな、肉と交換で傷を治すのにね。


そして鍋を洗って水瓶に水を汲み置きしていると、外からドアを叩く音がする。

「はい誰ですか?」

「村長だ、婆さんはいるか?」

「待って下さい、呼んできますから」

俺は村長が来た事をおばあちゃんに告げると、嫌そうな顔で俺に言う。


「恐らくは面倒事だよ、スープは出来たから先に食べていてくれるかね」

そう言って、おばあちゃんはドアの外に出て行った。


外では他にも人がいて、話し合いが始まった模様だ。

俺は食べ終わり、片付けて今度はポーションを作る鍋に薪を焚べる。


鍋に水を入れて湯を作る、沸騰したら明日まで冷ます様に水瓶に移して寝る事になるんだけど、おばあちゃんが中に戻ってきた。


「どうやら魔物が出たらしい、奥の村から人が来て合同の討伐隊を組むそうだ!」

久方ぶりの魔物の出現、俺の嫌な記憶が蘇る。










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