第5話


暫く刺繍をしていたけど、何となく疲れた。と思い、ベッドの上で横になる。


瞼を閉じると、浮かんで来るのは、琥珀。



最後に会ったのは、いつだったかな?



1週間ではない。


もっと、会っていないように思う。



もうすぐ、庭に曼珠沙華が咲く時期になる様に思うのは気のせい……?


だけど、何故、曼珠沙華が庭に咲くのだろう?



不吉な華のはずなのに……何故?



そんな風に思ってみても、私に分かるはずもない。


曼珠沙華を管理しているのは、琥珀なのだから……



目の前に広がるのは、多量の赤い鮮血。



そこに、塊のようなものがある。



膝を抱え、座っているのは、小さな女の子。



私は、塊が何なのか調べたくて足を進める。



『あぁぁぁー!』



自分の叫び声とは、また違う声に、ビクッとなり瞼を開けた。



……夢だった。



額や身体に、汗をかいているのが分かり、ベッドを出てからバスルームに向かい、脱衣所で着ている物を脱ぐと、浴室に入った。


シャワーのコックを捻り、出てきた冷たい水を頭から浴びると、徐々に冷静になっていく私。



あれは……?



そこまで考えて、ズキン!と頭に激痛が走った。



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