白樺が夕陽に染まる放課後。
窓の外、ずっと同じ場所に立ち尽くす『誰か』がいた。
その存在に最初に気づいたのは、演劇部のキムだった。
無風の中で揺らがぬように、白樺の影に溶け込むように、
その少年は一言も発さず、ただサッカー部の練習を見つめていた。
誰なのか、どこから来たのか。
警戒と興味が交錯しながら、少女たちは近づいていく。
「こんにちは」その一言で始まった対話は、
静かに、しかし確かに、日常の輪郭を揺るがし始める。
少年の名は『アイム』。
愛と夢を名に含む彼の瞳には、
この世界のどこかとは少し違う色が差していた。
明るく、どこかコミカルで、
けれど底の見えない静けさが交錯する会話。
春の匂いが微かに残る白樺林の風が、
ひとつの秘密と、心をほどく出会いを運んでくる。
これは、少女たちの好奇心が、
まだ名のつかない不思議に触れていく、静かな物語。