第2話

「そうですか!ありがとうございます!」


「早速、向こうの世界に持っていくチート、選んでいいですか?」


「はい。よく考えて選んで下さいね」


 女神様がパチンと指を鳴らすと、地面にズラッと特殊能力が書いてあるカードが並んだ。


――すごいな。


 ざっと全てのカードを見てみたが、全部かなりのチート能力だ。


 うーん。

 どれがいいだろうか。


 色んな奴と戦うからには、どんなチートにも対応できそうなオールマイティな力がいいだろう。


 これか?

 いや、デメリットがデカ過ぎるな……


 これがいいか?

 いや、ダメだな。

 近接戦闘が終わりそうだ。


 なら、そうだな……

 うーん。


 ……これにするか。


「これにします」


 神剣、陽塊王サン・マスター

 装備していると全ステータスが二倍になるとかいうやばいバフ付きの剣だ。


 魔力も二倍になるらしいので、近接戦闘も魔法もどちらも同時に大幅強化出来る。

 正にオールマイティだな。


 その代わりにデメリットが一つあるが、それも大して気にならない程度だ。


 我ながらいいチョイスだと思う。


「承りました。では、お受け取り下さい」


 女神様が天に手を掲げると、魔法陣が中空に現れ、その中心からとてつもないオーラを放つ、金の装飾が施された黒い鞘に収まっている剣がゆっくりと降りて来た。


「おお……」


 剣を手に取り、スラリと抜いて見ると、まるで何年も使ってきた武器であるかのように手に馴染んだ。

 そもそも武器なんて使ったことも無いのに、何とも不思議な感覚だ。


 そして、全身に力がみなぎった。


「凄いな……」


 そんな訳が無いと分かっているが、今なら何だって出来そうだと、そう感じてしまう。


 ……こんな力を手に入れたら、驕る気持ちも分かるな。


 感嘆している俺に、女神が、


「ステータスを見てみて下さい」


「ステータス?」


「はい。手の甲を長く押すと見ることが出来ます」


 俺は剣を持っている方の手の指でもう片方の手の甲を押した。


 ピロンという軽快な音と共に、目の前に半透明な水色のウィンドウが出現した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


鈴木旬:人間 無職


ヒットポイント 168(×2)


パワー 124(×2)   ディフェンス 104(×2)


スピード 156(×2)  マジックポイント 0(×2)


スキル

なし


状況

健康


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 おお。

 ちゃんと全部のステータスの横に×2って書いてあるな。


「異世界に送る時はステータスに修正を加えますので、今よりもかなり高い値になりますよ」


 まあ、そりゃあな。

 このままだと、MP0だから魔法使えないしな。


「それでは、いよいよ異世界に送らせて頂きます。準備はいいですか?」


「はい」


 俺が返事をすると、女神様が指をパチンと鳴らした。


「おおっ」


 俺の体が一瞬光り、血濡れたジャージが新品同様になった。


「それはサービスです。……では、」


 女神がそう言うと、俺の足下に光り輝く魔法陣が出現し、段々と俺の体が透明になり始めた。


 いよいよ出発か。


「鈴木様! 世界を救い、ここに戻ってくることを期待していますよ! 行ってらっしゃいませ!」


「行ってきます」


 女神様がそう言い終わるのと同時に、どんどん俺の体が透明になっていき――

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