【双神からの告知】

ところがである。


大学を卒業したセフィーナ達に待っていたのは、天界に住む神々とのお見合いだった。



そのお見合いの日。


ディノルドと出逢ったセフィーナは、その場で電撃的に結婚してしまう。

弟子入りの事などすっかり忘れ、ディノルドにメロメロとなっていたのだが……



「セフィーナちゃん、卒業おめでとう。いつから天界に来られるんですか?」



遅れて降りてきたアシュヴィン双神に尋ねられ、我に返る。



「うわっ、忘れてた!お見合いが済んだら行くつもりだったのに……」



チラリとディノルドを見る。

自分でも、まさか結婚するとは思っていなかったのだ。



「ごめんなさい、ダスラ神。夫に相談して来ます……。」



「え、夫……?」



へへっと笑い、ディノルドの所へと走る。

困惑している双神にシャスタが説明した。



「ナ、ナーガですか……。」



「それじゃ無理そうですね……。」



ナーガの夫婦がどんなものかは知っている。

人妻となったセフィーナが弟子入りするのは不可能だろう。



「アシュヴィン双神、申し訳ないがこいつの弟子入りを認めるわけには行かない。」



ギロリと睨みながらディノルドが言う。



「分かっていますよ。残念ですが仕方ありませんね。」



「えっ、嘘!弟子入りが私の夢だったのに!」



簡単に流れてしまった弟子入りの話。

ショックを受け、双神とディノルドを交互に見る。



「お前は俺の神妃なんだ。他の男の所になんか行かせるかよ。」



睨む瞳の奥には嫉妬の色。

それは嬉しい事なのだが、長年の夢も捨てがたい。



「あ~ん、小さな頃からの夢だったのに~、」



泣き出しそうなセフィーナに困惑するディノルド。

だが、弟子入りだけは許可できない。



「セフィーナちゃん、聞いて下さい。」



「何ですか……?ナーサティヤ神……。」



夢破れた彼女の顔には暗い陰。



「貴女は既に私達の弟子だったんですよ。」



「天界に来られない貴女達の為に、例外として下界で知識を授けていたんです。」



一瞬、意味が分からなかった。

その言葉を理解した時、セフィーナの目は見開かれた。



「嘘!本当に!?私、アシュヴィン双神の弟子なの!?」



「ええ。セフィーナちゃんとマリアちゃん。二人は私達の可愛い弟子ですよ。」



微笑む双神の顔を交互に見やり、頷かれた事で実感した。

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