【逃げる男達】双神はまだ待機中

同じ大学と言われても、ディアは彼らの事を知らない。

ガルダ以外の男には興味がないし、大学は知識を学ぶ場でしかなかった。


そもそも、彼らは本当に妨害の犯人なのだろうか。

鷲の姿に歓喜して、写真を撮りまくっていただけなのでは……。



「あれ……?」



何かが繋がって行く。

動物愛好会のサークル仲間。


動物が好きで、馬車マラソンの開催地にいて……



「貴方達って……馬も好きなの?」



「当然!あの姿は芸術的だろ!?走る芸術品とは良く言ったもんだよな!」



興奮気味に話す男達。



「その芸術品を酷使するなんて許せないよな。」



「安楽死なんて最低だろ。」



「そうそう!大体──」



興奮した彼らの言葉が全てを繋げて行った。



「やっぱり!貴方達が妨害の犯人ね!?」



「だ、だから何だ!こんなレース、妨害して当然だろ!?」



動機は理解できる。

だが、怪我人が出ているのだ。



「やり方に問題があるのよ!参加者を襲った時点で貴方達は犯罪者になったの!」



「犯罪者!?」



「そうよ!だからFLAGがこうして乗り出したの!」



「FLAG!?」



あの組織がこうして乗り出した?

『こうして』……?



「まさか……君……」



「FLAGよ。犯人を捕まえる為にコンパニオンとして潜入していたの。」



指を差され、ため息をついて正体を明かした。



「お、俺達、刑務所行き……?」



「どうかしら。とりあえず確保させてもらうわね。あ、逃げても無駄だから。」



言われたにも関わらず、男達は逃げ出した。

それもばらばらの方向に……。



「ガルダ、あっちお願い。」



「お任せ下さい。」



かぶりを振ったディアが男達を追う。


ただでさえ運動神経の良いディアだ。

女神となった彼女が人間に遅れを取る事はない。



「ぐっ!」



先回りした彼女が男の鳩尾みぞおちに一撃を入れた。

倒れた男を放置して、次々と男達を捕らえる。

4人捕らえたところでガルダを見た。



「うわ、何なのよあいつらは……」



足止めするガルダの攻撃に興奮していた。

実際に攻撃しているわけではないが、目の前を行き交うオウギワシに喜んでいた。



「狩られている気分だ!」



「獲物側から見たオウギワシの図ーーっ」



と、襲われながら撮影する始末だ。



「貴方達……馬鹿?」



二人の目の前に立ち、ため息をついて拳を入れた。

倒れた6人を見てかぶりを振る。

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