第六章 米相場大崩壊!? 予兆と騒乱の市中
江戸の町は、なにやら不穏な空気に包まれていた。噂によれば「幕府が近々、大量の蔵出し米を放出する」「いや、それはデマだ」など情報が錯綜(さくそう)している。
米相場は値動きが激しく、連日ストップ高やストップ安(当時の制限値幅はやや違うが、イメージ的に)が続き、商人たちがてんやわんやになっていた。
「もし蔵出し米が本当なら、一気に値崩れだ」「上がるのか下がるのか、どっちなんだ!?」
こうしたパニック相場は、現代でも歴史的暴落を招きやすい。俺は内心「これはチャンス」と思いつつも、かつてのリーマン・ショック的な惨事を連想して戦々恐々。
塾生たちの不安も高まる。「先生、本当に売りを入れていいんでしょうか?」「私は買い方を続けるべきか迷っていて……」
俺はチャートと取材で得た情報を総合し、「大口の仕手筋が買い集めている節があるが、蔵出し米の真偽次第で暴落の危険が大きい。要はハイリスク・ハイリターンだ」と説明する。
伊佐次は「うわー、ギャンブルだな」と苦笑い。小夜は「そんなときこそ冷静にやるのが相場師ってもんでしょうが」と呆れながらも、同時に闘志を燃やしている。
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