第四章 維新相場塾、始動! 目指すは日本一の集団
俺は相場で勝つためには、“情報”と“人脈”が欠かせないと考えていた。
「個人の腕だけじゃ限界がある。だからこそ“相場塾”を立ち上げて、志を同じくする仲間を増やしたいんだ」
伊佐次は「じゃあ俺がチラシを作って町に貼りまくるよ!」とノリノリ。小夜は「どうせやるなら思い切りやりなよ」とニヒルに笑う。
こうして翌週、町外れの一軒家を借りて「維新相場塾」の看板を掲げることに。
最初は物珍しさで集まった町人が4〜5人ほど。「米相場で儲けたいんですが……」「ローソク足ってなんですか?」と興味津々。
俺は黒板代わりの板にローソク足の描き方を示し、「胴体」「ヒゲ」などの基礎を教える。
「これらの足の組み合わせにはパターンがあるんです。例えば長い下ヒゲは“相場が反発する可能性”を示唆しますし、抱き線やたすき線は転換の兆しだったり……」
町人たちは「はえ〜」「何だか難しい」と頭をひねっている。だが、伊佐次は「おいおい、兄さんほんとに詳しいな! こりゃ信頼度が増したぜ!」と感嘆。
ただ、一部の連中は「本当にこんな理屈で勝てるのか?」と半信半疑。そこに小夜が「この前、こいつが米相場で勝ったのは事実さ。私も見た」とツンデレ気味にフォローしてくれるので、なんとか形になる。
そんなこんなで最初の講義は大盛況……とはいかないまでも、興味を示す人が少しずつ増えてきた。「塾生」などと言うと大袈裟だが、徐々に仲間たちが集まり始めるのだ。
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