嬉しい一時
か細く、けれど清らかな芯を持った声が、線香の煙に吸い込まれていく。父の墓参りをしている最中、娘が急に歌い出したのだ。父が嬉しいとき、口ずさんでいた曲を。
「爺ちゃん、墓参り来てくれて、嬉しいんだって。私も、会えて嬉しいから……」
何もない空間を指さして、笑顔で続きを歌い出した。
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