第11話 終わりゆく戦い
ライノ戦闘機が次々に踵を返して空域から離脱する。
「アキト! 操作は任せた!」
ブラディオンはライノ戦闘機を追う円盤のさらに後ろに付く。そして、レーザー砲で次々と円盤を撃墜していった。
「任せて」
アキトは冷や汗をかきながらリアルタイムのモニターを見て機体を操作する。徐々に四機のエクセリオンの距離が離れて行った。
「なんだあれは! 対空砲!」
宇宙駆逐艦の一隻がエクセリオンの一機に接近する。そして、蜂の巣をつついたような対空砲火を浴びせた。
「操作が……」
アキトは、手元の操作にモニターの動きが付いて行かないことに気が付く。
「それなら!」
彼は躊躇なく手元の起爆ボタンを押した。
穴だらけになり翼から火を吹いていた旅客機が爆発し、音速を超えて弾丸となった大量の破片がばら撒かれる。宇宙駆逐艦は装甲の薄い部分に高温の破片が殺到して炎上する。
「何だ! 爆弾か!」
付近の宇宙艦隊の銃座なども無事では済まず、宇宙艦隊は自然とエクセリオンと距離をとった。
「逃がすか!」
アキトはエクセリオンを操作し、残った三機で宇宙艦隊を追い回す。やがて、三機のエクセリオンは艦隊へ追いついた。
「退避!」
「退避ったってどこに! 撃ち落とすんだ!」
決死の対空砲火が二機のエクセリオンを撃ち落とし、艦隊のうちの数隻が巻き込まれる。
最後のエクセリオンにアキトが操作を集中する。そして、エクセリオンが両翼を炎上させながら宇宙空母の艦載機発艦口を通り過ぎる寸前、発艦したばかりの円盤と衝突した。
空母の中に破片が飛び込み、中の円盤などの装備をズタズタに引き裂く。
「命中!」
「やったねアキト!」
防空機能をかなり喪失した宇宙艦隊にオーストラリア空軍の部隊が殺到して次々に撃沈していく。戦艦の艦橋を爆弾が貫き、木端微塵にした。
イージス艦シドニーの艦砲射撃や、ディアモンのミサイルも、宇宙揚陸艦や宇宙空母に対して有効な打撃を与え始めた。宇宙空母の一隻の中にイージス艦の砲弾が侵入し、航行システムを爆破した。
そして、その宇宙空母は高度を落としながら宇宙駆逐艦などを巻き込んで着水する。
しかし、地球上に無数に居た宇宙艦隊は自身が元々持っていた目的を思い出していた。
「革命の終わりには王の死が必要だ!」
「ブラディオン。すぐに現空域から退避しろ。他地域に現れた宇宙艦隊は姿を消したのに、ここだけ残っているらしい。狙いはパイロットの君だ」
通信がブラディオンの中に響く。
「わかった……逃げるよアキト」
「後ろは任せて」
空域を離脱するブラディオンの目の前に、宇宙戦艦が現れた。異空間アザーンから抜け出した宇宙艦隊が二人を取り囲む。
レーザー砲がブラディオンをハチの巣にするべくばら撒かれた。
「前も後ろもない!」
「全くだよ!」
ブラディオンが必死にそれを回避せんと高度を派手に落とし、トンネルの中に侵入した。無数の車両の上を飛び越え、トンネルの出口を目指す。
「お願い……!」
ブラディオンがトンネルを飛び出す。二人の目に自身を狙う無数の円盤が写った。リュビンはエンジンを全開にして逃げる。ロケットが点火し、ブラディオンは周りの円盤を置き去りにした。
「駄目だ……」
ロケットの燃料がものすごい勢いで減り、リュビンの手元で燃料切れのアラートが鳴った。
「ああ……」
ブラディオンのロケットが停止し、急減速した。背後には無数の円盤が迫る。
リュビンが身震いした。
「私達、頑張ったよね」
リュビンはそう言って笑顔を引きつらせながらアキトの方を振りいた。
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