お前もダークファンタジーを読まないか?

1話:そもそもダークファンタジーってなんぞや

 ダークファンタジーは、ファンタジー作品の一ジャンルで、重苦しい雰囲気や人間の暗黒面、グロテスクな描写などを特徴とする作品を指します(コピペ)


 要はあらすじや前回のお話で散々語ってきた作風の物語です。


「あれ?なろう系にもダークファンタジーってあるんじゃね?」


 そう思った人もいるかもしれません。あります。

 例えば『仲間に裏切られてパーティを追放される復讐系』『婚約破棄されてからの成り上がりを書く悪役令嬢系』。これらはダークファンタジーに当てはまります。


 しかし蓋を開けてみれば、やれ「神様から貰ったチート能力でハーレム満喫しながら復讐します」だの「平然としていたら手のひら返して婚約破棄を破棄して欲しいと言ってきた」だのなんだの。


 地獄行っても砂糖で釜茹でされてんのかオメーらは!!


 申し訳ございません、今のはあくまで架空の一例です。「ここまでやるか…?」と言うほど主人公をいたぶる作品もなかにはあります。筆者はそういった作品が大好きなので見つけたら教えてください。


 話を戻しましょう。


 ダークファンタジーとは、ただ登場人物が不幸になれば成立するジャンルではありません。


 重要なのは“理不尽や困難”、そして“それらとどう向き合うか”という視点です。


 善と悪の対立なんてもう古い。

 そこにあるのは正義のぶつかり合い、救いのない世界、それでも誰かを守ろうとする意思。

 倫理も秩序も崩壊した中で、かろうじて保たれる人間性。


「誰が正しくて、誰が間違っているのか」


 そんな明快な線引きができないからこそ、物語は深く、苦く、そして美しくなるんだと思います。


 チートも良い、スカッとする展開も面白い、だけど一度、すべてを失った主人公の眼差しを覗いてみてほしい。そこには、心を抉るような痛みと、誰よりも強い“希望”が宿っているのだから。


 とはいえダークファンタジーに苦手意識を持つ人がいるのも、よくわかります。


 「鬱展開が続くと疲れる」「エログロは苦手」「救いがなさすぎて読むのがしんどい」そう感じる人がいるのは当然ですし、実際にそういった作品も多いのが事実です。


 でもだからこそ言いたい。


 ダークファンタジーは“絶望を描く物語”ではなく、“絶望の中で希望を探す物語”が大半であり、そこが大きな魅力の一つと。


 真っ暗な夜だからこそ、たった一つの灯火が美しい。

 それは剣でも魔法でもありません。仲間への信頼だったり、人としての矜持だったり、あるいはもう一度だけ信じてみようとする勇気だったり――


 そういった“人間くささ”こそが、ダークファンタジーの醍醐味だと考えています。


 次回はそんなダークファンタジーの魅力を更に細かく語らせてもらいます。

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