2話:世界観や登場人物
ダークファンタジーを語るうえで欠かせないのが、閉塞感ある世界観と魅力的な人物造形。
荒廃した都市、死と隣り合わせの国、戦争の絶えない世界…そういった背景が登場人物の言動や価値観にどんな影響を与えているかを読み解きます。
また、善悪の曖昧な人物や、過酷な運命を背負ったキャラクターの“人間くささ”に注目します。
宣伝もかねて僕の作品で例を挙げましょう。
宣伝したいだけだろって?いえいえ滅相もございません。
『鎖されたエデン』
https://kakuyomu.jp/works/16818622171345636901
これは僕のカクヨム初投稿作品にして、王道とは遠いようである意味最も王道的なダークファンタジーです。
あらすじ(長ったらしいので読まなくてもいいです)
『かつて「楽園」と呼ばれた美しい島。しかしそこに住む者たちは、決して外へ出ることを許されない。
この楽園を管理するのは「鍵守」と呼ばれる者たち。感情を失いながらも秩序を保つ青年レイヴンは、ある日、呪われた少女フィオナと出会う。
彼女の瞳を見た者は、彼女の想いに呑まれ、狂い果てる。「もう誰にも触れたくない」と願う少女と、失われた感情を求める青年。
ニ人の出会いは、楽園に閉ざされた運命を変えるのかーーそれとも、新たな悲劇の始まりなのか。』
舞台となるのは、外界と隔絶された島……楽園は名ばかりの牢獄。その“閉じられた空間”がもたらす独特の息苦しさと、上幕でそれとは真反対の彼らの凡庸な日常を描いたことによる認識の乖離。読者はまず、この静かなる抑圧に違和感を抱きながら物語に引き込まれていきます、いくはずです。
そんな世界の中で、秩序を維持する青年レイヴンは、感情を失ってなお“人間であろうとする姿勢”が印象的なキャラクターです。感情を手放した彼が、どうしてそれを取り戻そうとするのか。その内面の空洞と、ひたすらにまっすぐな行動原理が印象に残るはずです。
一方、呪われた少女フィオナはまさに“ダークファンタジーの象徴”とも言える存在。彼女の存在そのものが災いを呼ぶにもかかわらず、その奥には孤独と絶望、そしてわずかな希望が潜んでいる。誰かを拒絶することでしか自分を守れない少女の姿には、誰しもがやるせなさを覚えるはずです。
このように、ただ“可哀想なキャラ”でも“かっこいい主人公”でもなく、運命に翻弄されながらも抗う人物が登場するのが、ダークファンタジーというジャンルの真骨頂だと僕は思っています。
さて、次回はこうした世界観と人物が、どんな風に物語へと絡んでいくのか、ダークファンタジーの展開の魅力を深掘りしていきます。
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