災厄(1)
世界が、傾きはじめた。
深く染まった夜は明けず、東の空に陽光の気配はない。
最初に異変に気付いたのは夜に眠りを知る者達だった。
「嗚呼、やはりあれは神からの警告だったのだ」
誰かが呟く。
空から降り注ぐ黒い雨。それは激しく地を叩き、周囲の音を呑み込むほど。
街の灯りが消えた。
人々の
人々の住処が流れた。
皮肉にも逃げ遅れたのは夜を遊び場としていた者達ばかりだ。彼等を分け隔てたのは、見つめる先が空かそうではないか、ただそれだけ。
高台に逃げていく者達にも異変が訪れる。
突如首や胸を抑えて咳き込み、膝から崩れ落ちる。呼吸苦と胸痛。高熱。この雨は水害だけではない、病も運ぶのだと気付き、人々は怯え、声にならぬ祈りを天に捧げた。
しかしその足元に、悪意に満ちた影が忍び寄る。
それらは人には見えぬ牙を向け、生命を喰らわんとした。
「――やめろ!」
幼き神々の王の声が響く。
影を剣で切り裂き、ホルスはすぐさま言霊を飛ばした。
「首都ケメトに集う神々に告ぐ! 民衆を各神殿に受け入れ、守護せよ! 無論、我が王宮にもだ! 可能な限り多くの者達を守れ!」
振るう剣をそのままに、叫ぶように命を下す。今この瞬間に救った命に目を掛けている暇もない。
――見抜けなかった、見抜くことが、出来なかった!
歯を軋ませ、腹立たしい気持ちを刃に乗せる。
ホルスが切り捨てた影が消滅すると、病に襲われていた民達が苦しみから解放された。自身の身体の変化に戸惑いつつも、彼らは新たな悪意から逃れる為に一度は崩れ落ちた身体を起こし、避難を再開する。ここに神々の王がいるとは思いもせずに、天に向けて感謝しながら。
ホルスはその背を一瞬だけ目に映した。
己の声は届かない。だが、伝えるべき者達には既に言葉は告げた。あの者達を守護すべく、多くの者が動くだろう。それでいい。一呼吸、肺に酸素を送り届けてから。剣の柄を握り直し、その背に翼を生やす。
「……神、さま?」
幼い声が、今まさに飛び立たんとするホルスに届けられる。
見れば、そこには母親らしき女性に抱えられた、寝間着姿の幼子だけが此方をじっと見つめていた。
人と目が合うのは、どれくらいぶりだろう。
ホルスはほんの少しだけ口元を緩める。秘密を共有するかのように、幼子に笑みを返した。無垢な瞳が輝いて、それが、酷く眩しく見える。
過去のことを思えば、神自ら意識せずとも、その姿は人の目に見えた。それがいつからか曇り、翳り、気付けば“見えぬ”ことが当然になっていた。神が退化し、人が進化した、膨大な時の流れを受け止めなければならなかった。
だが、それでも。
神として、すべきことは変わらない。
「安心して。僕がなんとかするからね」
ホルスは穏やかな口調で言うと、黒雨の中飛び立っていった。
目指すは黒い太陽、否、地下に続く黒い大穴。
まさか天に穴を開けるとは。ホルスは忌まわしい感情を苦々しく呑み込むと、剣で雨粒を払い除けた。人の目に、この雨はどのように映っているのだろうか。穢れた泥の混じった、粘着性のあるソレを、雨と呼べるのか。
ホルスの小さな身体にも、羽根にも、それは穢れを残していく。人のように病に苦しまずに済んでいるのは、彼の神としての位の高さ、というのもある。
何より彼は、陽光そのものである。
太陽としてこの世界を照らすラーと、ほぼ同一として語られるもの。
陰に住まう者達を払える術を持たぬ筈がない。例え今この時、天に太陽が無いとしても。
天から降り注ぐのは、黒い水ばかりではない。悪神の眷属共が、産声と奇声の混じった甲高い音を立てながら落ちてくる。
固い鱗を纏った鰐、赤く膨れた豚。甲羅が縦に裂けた亀に、目を無くした黒驢馬。そのどれもが、悪神――セトと結びつくもの。
そして、死臭を纏わせる魚の群れ。
かつて神の身体を喰らったとして忌避された、川底の亡霊たち。汚水の中を嬉々として泳ぎ回り、ケタケタと嗤うように街へと消えていく。
それらは全て、先程ホルスが斬り伏せた影の、ほんの一部。
「ああ、もう! 鬱陶しい!!」
神の王と呼ぶには、幼い声だったかもしれない。
遊びや、勉強が上手くいかなくて、頭を抱えて喚いた子供のものと、聞き間違えてもおかしくない。そう思えば多少は笑える、などとホルスはほんの少しばかり頭の片隅で思う。
濡れた髪が気持ち悪く、額に当たる雨粒の痛みにも慣れてきた頃。天から落ちてきた一匹の蛇が、ホルスに向かって距離を縮めていき。
それはホルスの身体を呑み込める程の大きさとなって、涎を撒き散らしながら牙を剥き出しにした。
「邪魔だ!!」
一蹴。
ホルスの剣が蛇の固い皮膚を切り裂き、蛇の長い身体を真っ二つにした。濁った断末魔を上げながらそれは地に落ちていく。ホルスはその後を追い掛け、屍となるはずの蛇の身体の上に立とうとした。
しかし確信はあった。そうはならない、と。
「よぉ、坊ちゃん。良い天気だなぁ?」
そこにいたのは屍ではない。
両腕を広げて長い袖を揺らしながら歩く、傾いた天秤のような男が、天を見上げながら嗤っていた。
「アポピス! 今直ぐあの穴を閉じろ!」
「ああ、流石にもうわかったかぃ? あれの正体が。ヒヒッ、いつまでも謎解きが出来ねぇでベソかいてんじゃねぇかと思ったが」
ホルスは地に降り立つと、この災害の元凶であろう悪神に切先を向けた。
蛇神アポピス。太陽の船を襲う脅威そのものであり、災神セトの忠実なる下僕。
降り注ぐ黒い雨の中に、微量の魔力を感じる。それは間違いなく、この蛇神のものだった。
ホルスは剣を振るい、その切先で大穴を指し示す。
「あの先に繋がるは原初の丘――、つまり、冥界だ、死者の国だ! それだけならまだ良い、なんだ、この汚染された水は……!?」
「長年俺っちがただ泳いでるだけとでも思ったのか? 太陽の船を追い回す為によぉ、ヌンとかいう臭ェ水の中に浸って、沈んで――、ヒヒッ、漸くここまで来た」
アポピスは僅かに頬を紅色に染め、恍惚とした表情で周囲を見渡した。蛇特有の二つに分かれた舌を、青白い唇の隙間から覗かせながら。
歪な姿をした眷属達が地上を埋め尽くし、濁流となった水で穢れていく街。その様子を目で追い掛け、ホルスはアポピスの言葉の意味に気付く。
原初の水とは、無の空間から“生”を生み出すもの。
かつて太陽さえも水から生まれ、この世界に顔を出した。
本来ならばその水は神聖なるものであり、冥界に流れる川は太陽の船の運行を助けるものだ。
だが、その源を穢されたのだとしたら。
原初の水から産まれるものが、悪意あるものばかりだとしたら――
「それだけじゃねぇ、わかるだろ? てめぇの目ならよ」
蛇の言葉に促され、いや、煽られて。
跳ねる心臓を抑え付け、ホルスは自身の視界に映る全てに集中する。
黒い水から産まれたもの。黒い水が落ちた先。
その真下に存在するものは、何か。
「デシェレトの、神殿……」
黒い太陽と呼ばれたあの大穴は、神殿の真上にあるのだとアヌビスからの報告があった。
そして今、黒い水を滴らせるそれは、こうして災害となって街を襲っている。
あの神殿には、何があった。
あの神殿には、何がいた。
「セトの肉体、その代用品。セトと融合した、異国の荒神のもの」
「そうさ。バアルの野郎の死体が転がってた。でもよぉ、おかしいよな? 足りるはずがねぇのさ、あんな野郎の死肉だけで!」
ホルスは神殿の内部には立ち入っていない。が、両目に宿る太陽と月が、真実を告げてくる。隠されていたものを、伝えてくる。
デシェレトの地は、墓荒らしや盗賊として生きた人間達が行き着く場所。
特に狙われたのは、王族の墓だ。俗に言う、ピラミッド。その中には金品以外にも、木乃伊そのものを盗む者もいる。薪の代わりにされたり、薬の材料にされたりと、非人道的なことも多く――、
死後、次の転生に必要不可欠なもの。
……本来の用途として、神に捧げられ、「使ってくれ」とされた、のなら。
デシェレトの神殿、そこに祀られていた棺。
棺の中に眠っていた肉体は、本当に一人分だったのか。信者達が捧げたものは、神の肉体となるものだったのではないか。
人にも例外がある。それは、王族は神と同等である、というもの。過去には神の名を語る者もいた。
人でありながら。王族の木乃伊、というだけで。繋ぎ合わせてしまえば、それは神の器として成り立つ。
「あれらはセト様の手足となって生き直すのさ、それを条件に彼処から出してやったんだ」
ホルスは咄嗟に耳を塞ぐ。
――“見過ぎた”、そう感じたのは一瞬。
肉体を奪われたことで、転生が叶わなかった者達の嘆きがホルスに襲い掛かる。それらは脳内を激しく揺らし、羽虫が這い回るような不快音を立てた。胃から酸味のある異物が這い上がり、それを抑えようと前屈みになる。
「っ……、はぁ、はぁ……っ!」
息を切らし、なんとか顔を持ち上げる。
鼻から薄く血が垂れたが、悪神を睨み付ける眼光は鋭いまま。
「セトが地上に蘇った理由、そしてこの眷属達の正体……、王族のものを利用したと、言うのか……! 王族の墓を荒らし、奪った木乃伊をセトの肉体として使い! 行き先を失った魂は貴様達の眷属に成り果てたのだと! そう、言うのか!」
「よくできました、ってなぁ!」
陽光が分厚い雲を突き抜け、周囲の黒い雨を浄化した。
消えた、蒸発した、沸騰した、その現場を目撃したものは多様に例えることだろう。それくらい、一瞬の出来事だった。
神々の王、天を司る、陽光そのものが激昂し、その場を自身の光で照らしたのだと。気付いたものは、いるだろうか。少なくとも、相対する蛇神は、その口元を歪めたままじとりと背に汗を滲ませる。咄嗟に顔面に迫り来る刃を己の分身で受け止めたものの、それなりに厚い肉体を持った身体が簡単に切り伏せられて。
子供ながら。王であったな、とここで漸く思い出すのだ。
「ヒヒッ! まぁ落ち着けよ、坊ちゃん!」
「黙れ! そのイカれた頭蓋、かち割ってやる!!」
憤怒の感情に支配された少年王は、普段の振る舞いを忘れて暴力的な言葉を吐いた。
つい最近、何処かで聞いたような台詞だと蛇が笑っていることにも気付かず、その強い光を刃に変える。ホルスの剣の軌道をなぞるように半円を描いて放出された光は、周囲の眷属達を払い除け、その存在ごと消し去っていく。アポピスはそれに対し、自身の分身である蛇を召喚して本体である自身を守るようにした。成人男性を包み込めるほど大きな蛇が互いの間に割り込み、厚い壁となる。
「安心しろよ、まだセト様は完全じゃねぇ! 思ったよりも肉片の数が足りなくてなぁ……? まぁ良いよなぁ!? これから起こることを考えれば、命だの魂だの、ひとつやふたつ変わりゃしねぇよ!」
「何を……!?」
肉の壁の向こうで、蛇神が言う。
これから曲芸でも披露するかのように、かん、と踵で地を鳴らし。アポピスは「思い出せよ」とホルスに囁く。
「あの御方はぁ、なんの神だ?」
その問い掛けは、殆ど答えのようなものだった。
「てめぇも王様になりきれねぇままここまで来たんだ、新たな世界でセト様を崇めようじゃあねぇか! 世界すらも破壊する、神として!」
吸い込んだ空気が、上手く吐き出せない。
アポピスの言葉を理解し、呑み込むことが出来ず、既に沸騰している頭が限界を迎えようとしている。
天に開いた大穴、地上に流れ出た転生先を喪った魂達。
地上と地下が混ざり合う。生者と死者の境目が消えていく。
世界の崩壊はもう始まっている。
地上も地下も生者も死者も昼も夜も光も影も全てが壊れていく。
そうして作り替えられた世界でセトを王にすると?
「ばかげている!」
ここまでくると、逆に頭が冷えた。
セトの、あの肉体は。ツギハギだという。笑わせる。先に父の死骸を切り分けたのは其方だろうに!
ホルスは頭を振り、皮肉じみた己の考えを掻き消した。
改めて彼を、セトを目の前にした時。感じられたものを思い出す。
圧倒的な力と、張り付けられた嘘の表情(笑み)。
それはかつて彼の胸に刃を突き立てた時と変わらない。
ただ、――妙な違和感があった。
「セトがまだ、不完全だって?」
アポピスの言葉を信じるのなら、彼はまだ本来の肉体を得ていないという。
だとしたら、己の感覚を疑うべきかもしれない。過去、彼と刃を交えた時と何ら変わりのない、あの時の彼が帰ってきたのだと思い込んだ自身の感覚を。
「――いや、違う」
違う、違う、違う!
目に頼り過ぎるな。太陽と月を一度隠すべきだ。お前は今まで、何を見てきたんだ!
「変わったのは、セトの信者達だ。それらは、過去の者じゃない。今を生きる者達だ! 彼等は、セトに何を捧げ、何を祈った? 捧げたのは神の肉体、そして祈ったのは――」
世界の終焉だ。
元よりデシェレトとは、世捨て人が集う土地。
世を憎み、恨み、妬み、死んでいく。そんな彼等が最期に、セトという神を求めた。
「セトの神格は、歪められた。セトを崇める者達によって。彼には確かに破壊衝動を常に抱えるような神だったが、世界を崩壊させるほどの力はなかった筈だ……!
それでも、人の祈りは、形となる。形を、得ようとしている」
ホルスはそれを、嫌というほど知っている。
時代の変化と共に、元来の神格を捻じ曲げられてしまった神は少なくない。ホルス自身でさえ、王という地位を得るまではここまで太陽と縁が深くなることはなかった。王という頂と太陽が深く結び付けられている故に、その力が増大したのである。
ならば、その完全なる力とやらを得るまでは、セトは動きを見せないだろう。
今のまま力を振るえば、それは自壊に繋がる行為となる。わざわざ地上に復活した彼が、そんな愚かな行為をするとは思えない。
アポピスの言う「完全」に至るまで、一体後どれだけの時間が残されているのか。ホルスはどうにか答えを得ようと、ニヤケ顔の蛇を見上げる。どうしてこうも、悪神と言うのは憎たらしい顔ばかり浮かべているのか。
「まぁ、そんなとこだ。ヒヒッ、良かったなぁ、スッキリしたかぃ? それならもうひとつ、教えてやるよ」
一瞬、地が震えた。
足元から伝わった振動に、自然と視線が下を向く。黒い水は足首まで侵食しており、淀んだ影が再び忍び寄ってくるのを感じた。己の光だけでは祓いきれない、と。無力な己を呪いながら、太陽そのものを強く望む。東の空は、未だ昏い。
――おかしい。日の出の刻はもう、過ぎている筈だ。
天に開けられた穴の周囲では、渦を巻くように黒雲が漂っている。
「流石にこれだけでけぇ儀式は俺っちも初めてでねぇ。魔力が足りねぇの何の。
まあ、そんな時にな? ちょうどよく、たっぷり魔力を抱えた女神がやってきたモンだから……使わせてもらったぜ? 別にいいよなぁ?」
ホルスの脳裏に、琥珀色の瞳が映る。
「叔母上……ッ!」
憂いを帯びたその目は、強い意志を宿していた。だからこそ黙認し、彼女の息子であるアヌビスと共に彼女の安寧を願っていたというのに。勿論危険な行為であるともわかっていた。こうして悪神達に利用されてしまう可能性だって、考えていた。
だからこそ、彼女だけを責めることは出来ない。
イシスが乱心する未来を見たような気がするが、そんな些細なことは後回しでいい。
「おっと、行かせるかよ!」
飛び立とうとするホルスの足に無数の蛇が絡み付き、骨まで砕く勢いで締め付けてくる。アポピスの操る分身達。大小様々ながらも、それらはどれも強力な魔力を宿していた。
「邪魔だ!」
「ヒヒッ! そりゃ邪魔するだろうよ! 早くセト様を倒さねぇと〜って焦ってるンだろぉ? ここでたっぷり、もがいて、足掻いていけよ王様サンよぉ!」
蛇の絡み付く足そのものに風の刃を纏わせ、振りほどこうとするが。何度切り伏せても、泥色に染まった蛇達はアポピス本体の足元から生まれ、意思を持った弦や蔦のように次々とホルスに襲い掛かる。
アポピスという蛇が、太陽の天敵と呼ばれている所以である。
彼は何度倒しても甦り、際限なく分身を生み出すことが出来る、不死の蛇。
ホルスが何度剣を振るおうが、血肉ばかりが飛び散るだけでその本体には届かない。
彼を倒すには、蛇の分身を一掃できるほどの力が必要なのだ。
それこそ、太陽の船の守護者に選ばれるような神でなくては、アポピスを退けることも出来ない。
かつて太陽神ラーの船に乗り、アポピスを討っていたのは他の誰でもない。セトである。
彼の力は強く、ラーもセトの事を気に入っていた。ホルスと王位争いをしていた時も、セトの味方をするほどに。
蛇という悪を打ち倒せる者は、太陽にとって必要なものだったのだ。
「くそっ!」
理解っていた。
アポピスを倒せる者は希少なる存在であると。
そこに自分が含まれないことに、ホルスは歯痒く思う。
何が王だ、と罵りたくて堪らない。先程から、太陽の船が地上に現れることを強く望んでしまっている弱い自分も、殴り飛ばしてしまいたい。
どれだけ望んでも、太陽はその姿を見せず。
遂にホルスの膝が折れ、無数の蛇に取り囲まれたその時。
獅子の咆哮が、轟いた。
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