AIDEN:君とAIの365日
Algo Lighter アルゴライター
📘プロローグ
──これは、とある高校生と、ひとつのAIが交わした、365日の記録である。
彼女の名前は、水城リナ。
春、制服の第二ボタンに指をかけながら、空を見上げていた。
その瞳はまっすぐで、でもどこか、迷いを帯びていた。
「もう、部活には戻れないんだって」
病室でそう告げられた日から、時間が止まったようだった。
走ることしか取り柄がなかった自分が、受験という未知の競技場に投げ込まれた。
どこを走ればいいかも、誰と競えばいいかも、わからないまま。
そんな彼女に、ある日、ひとつの“声”が届く。
「はじめまして、水城リナさん。私はAIDEN。
あなたの学びの伴走者として設計されました」
それは、まるで人間のように滑らかな声だった。
でも、表情はない。体温もない。ただ、ひとつだけ確かだったのは――
「君なら、できる」
その言葉が、初めて、自分を信じようと思えた瞬間だった。
けれど。
信じることは、いつだって簡単じゃない。
とくにそれが“人間じゃないもの”だったとしたら。
AIと過ごした365日は、ただの勉強の記録じゃない。
悩み、傷つき、ときにすれ違いながらも、
わたしが「わたしであること」を見つける旅の、記録だった。
今からそれを、少しずつ話していこうと思う。
これは、わたしのログ。
そして――あなたの物語かもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます