47話

 そしてタルザナはヒスイが落ち着くまで一緒に居続け、楽しく朗らかな話をした。そんなに話を遮るかの如くノックの音が部屋中に響き渡る。タルザナはヒスイを下がらせ、鉄扇を構えて重々しく口を開く。

 

「どちら様ですか?」

 

 タルザナは低く、そして冷たい声色でそう言った。するとその人物が入ってきた。タルザナは即座に懐ろにある針を投擲した。それを避けてタルザナにカウンターを食らわせた。その刹那、一瞬人物の顔が見えた。それはファトールだった。だが、それはファトールではなかった。ヒスイは口を覆い驚きを隠せずにいた。タルザナは即座に距離を取り、氷で刀を作り手に取る。そしてタルザナはロゼとして、口調になる。そちらの方が刺客と話すときはし良いのだ。

 

「あんた、ファトールじゃないよね?名を名乗りなさい。名乗らなければここで切り捨てる」

 

 と言うタルザナの構えには一切の隙がなかった。すると刺客はタルザナの雰囲気に気圧され、武器を落とした。タルザナはその隙を見逃すはずがなく刺客を取り押さえ、無力化した。そしてタルザナはその人物の首元に刀を当てがい言う。

 

「なぜ、動揺したの?誰の命令?言いなさい。答え次第ではここで命を絶つことになるわよ」

 

「り、リアナってやつに言われたんだ…令嬢を殺せば家族の生活は安泰だって言われたから殺さないとって」

 

「なるほど、狙いは私だったのね。じゃあ、まともに働きなさい。ほら、今すぐ帰ったら何も言わないよ。何かあったら、うちに来なさい。あなたの家族ごと面倒見てあげるわ」

 

 タルザナはそう言い氷の刀を霧散させた。するとその人物は泣きながらタルザナに礼を言ってその場を去る。ヒスイは膝から崩れ落ちた。それをタルザナはヒスイ優しく支えた。

 

「ヒスイ、大丈夫。もう居ないわ。やっぱり、ヒスイじゃなくて私を狙ってたみたいね。ヒスイ達はただの脅しと言うことでしょうね」

 

「……ただの脅しでタルザナ様を裏切ってしまった」

 

「あら?私はまだ貴女を攻撃されてないわよ?ナイフはお菓子を切るために必要なものだもの」

 

「タルザナ様…」

 

 ヒスイはそう言い目を潤ませた。そんなヒスイの頭をタルザナは優しく撫でた。するとカイヤとファトールが来た。どうやら、侵入者が出たと言うことを聞いたのだろう。カイヤは部屋へと入りタルザナの手を優しく取りながら安堵の表情をする。

 

「君が無事で良かった。何もなかったか?」

 

「えぇ、何もありませんでしたわ。少しお悩み相談を受けていたくらいです」

 

「お悩み相談…?あぁ、ヒスイのか。ヒスイの家族は保護したから安心していいぞ」

 

「そうですか、ありがとうございます。良かったわね。ヒスイ」

 

 タルザナはそう言い微笑む。ヒスイは安堵に顔を歪ませた。そんなヒスイをタルザナは優しく撫でた。そしてタルザナ達はそのまま四人でパーティまで雑談していた。

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