16話

 エターセコイアの皇族は生まれつき人より戦力に優れており黒い髪、黒い目の人間が多いのが特徴だ。それと同時に、エターセコイアの女性は強い男性と婚約を望むように…男性は強かで勇ましい女性と婚約を望む特性がある。そして今その国の現国王に君臨したカイヤ・ヌーマイトは、エターセコイアの女性達がモテモテな程に強く…勇ましい国王だった。エターセコイアの女性達はカイヤを取り合っていたのだが誰一人として、カイヤの婚約者に選ばれていない理由はカイヤの性格である。カイヤは皇太子の時は「氷の皇太子」と呼ばれていた。それくらいに冷静で残酷な性格であった。だが、信用している者には優しく接していたらしい。それでも信用していた者が裏切った時でさえ冷静に「殺せ」と命じその場で首を落とした。それは両親にもそう言えた。両親は、幼い頃からカイヤを洗脳しようとしていたのである。「自分達しか信用してはならない」、「自分達の言うことに従え」と言う内容だった。だが、前世にもそれをされていたことがあったためすぐに分かった。だが、カイヤの両親は洗脳をすることが出来ないと気づくとカイヤを殺そうと色々な画策を実行していたのだ。終いには「お前の大切にしている者を殺さない代わりにお前が死ね」と遠回しに脅してきた。カイヤは事前に証拠を掴んでいたため、両親を捕らえ皇族用の裁判を受けさせ両親をも処刑し僅か15歳で国王になり3年間は国民に優しく合理的な政治をしながら国民に厳しい貴族達を次々と処刑した。それが今までも悪役令嬢ならぬ悪役国王のカイヤは同時に聡明な王とも呼ばれていた。

 そんな噂を知っているタルザナはすごい王だなと感心していたのだ。そんな人間が青年のような大笑いをする、驚くのは無理はない。


「何です?何かわたくしに用があるのでしたら言ってくださいませ」


「あははっ、やっぱりお前は面白い。俺の妻として迎え入れたい」


「……へ?」


 とポカンッとしていると、カイヤはタルザナに近づいた。その刹那、タルザナとカイヤの間に入り込むアスネットとモリオン。二人の息ぴったりの防御に呑気に称賛するタルザナ。


「失礼、カイヤ陛下。私達はその話は聞いていないのですが?」


「昨日決めたからね」


 カイヤの代わりに国王が答えた。国王曰く、こちらの国の公爵令嬢であるタルザナとあちらの国のカイヤを結婚させて両国の関係を良くしようと考えたのだそう。幸いなことにタルザナとカイヤは面識がある。そのため余計にその攻略結婚が現実的になっても仕方がないと言えよう。モリオンは「勝手が過ぎますぞ」と怒りを露わにし、アスネットはモリオンの言葉に肯定したように頷いて見せた。険悪なムードになった国王、モリオン、アスネットの3人は、一触即発と言った状態だった。それを見たタルザナは二人の前に出て国王に尋ねる。


「陛下、少しヌーマイト国王陛下とお話しをしてもよろしいですか?久しぶりに会いました故お互いに性格が変わっておりますでしょうし一度話しをしてみてから考えたいと考えております。また彼の二の舞いになるのは御免こうむりとうごさいますので」


「もっともだな。申し訳ないが、カイヤ殿もそれでよろしいですかな?」


「えぇ、問題ない」


 そして、タルザナとカイヤは話しをすることになった。

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