11話
「ですが、私は皇太子妃なんて柄ではありません。私には不釣り合いです。なら、彼にめいいっぱい嫌われる他ございません」
「「そんなこと…」」
「いいえ、ありますわ。私は礼儀作法や教養等は人よりは出来ていますが、人と関わる能力に長けておりません。それに将来、王妃になると考えると余計です。王や王妃は国の顔、象徴のような物…そんな人間が人と関わることに向いていない人間がついたらこの国に悪影響を及ぼし兼ねません」
「「タルザナ…」」
毅然と言い放つタルザナになんて言えば良いのか分からなくなっているモリオンとリシア。二人から見たら事実だからだろう。そしてタルザナは両親への許可を貰い、本格的に悪役令嬢として過ごすと決めた。
――――――――――――――――――――――――
そして昼頃、タルザナの家に馬車がやって来た。皇太子の馬車である。タルザナは、能面のような表情になり皇太子を待つ。その隣で心配そうにタルザナを見つめるアスネット。
「……姉さん」
「
「すみません、お姉様」
「ふんっ、…この紅茶、ぬるいわよ」
と言いながらタルザナは一気に飲みおし、カップをテーブルに置いた。「すみません、お嬢様」そう言いながら違うものを用意するメイド。それを見て言葉を失うモリオンとリシア。二人は自分たちの娘、タルザナの演技力に脱帽していたのだ。タルザナの悪役っぷりは本来の性格からでしか出せないようなオーラ、表情、仕草をしていた。そんなことをしていると皇太子が入って来た。
「こんにちは、タルザナ嬢。僕はオハイキス・パスニーン。よろしくね」
「……お初にお目にかかります。皇太子殿下、
とカーテシーをしながらも言うタルザナ。
「……アスネット・ペリドットです」
「そう、よろしくね。アスネットと呼んでもいいかな?」
「ご自由に」
「アハハハ、そんなに固くならなくて良いよ?」
朗らかに笑うとオハイキスはタルザナの眼の前で跪いた。タルザナはオハイキスが何をしようとしているのかを察しながらオハイキスの言葉を待った。
「タルザナ嬢、僕は貴女を妃にしたいと考えています。僕の婚約者になることを認めて頂けますか?」
と、オハイキスは微笑みながらそう言うが雰囲気的に「拒否権はない」と言わんばかりの表情である。そんな雰囲気を察したタルザナは、「はい」と言いながら右手をオハイキスに差し出した。そしてオハイキスはそれを優しく手に取りソっと優しく手の甲に唇を落とした。
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