第29話 口撃からの返り討ち

「ちょっと! なにイチャイチャしたフリをして注目を浴びてるの! 絶対に周囲に注目されたいだけでしょ! 」


 芹奈が正章と流華まで足を運ぶ。不満をぶつける。難癖を付ける。わざと教室内に聞こえる声で伝える。


 教室内の生徒達の視線が集まる。


「そう。勝手に思っておけば」


 流華は華麗に受け流す。一瞬だけ目線を向ける。すぐに外す。隣の正章に向ける。


「な、何よ! 何よ! その言い方!! 」


 芹奈は腹を立てる。激昂する。顔を真っ赤にする。


「おいおい。流石にやばくないか」


「お前の彼女を落ち着かせた方がいいんじゃないか? 」


「流石に嫉妬が過ぎる」


 教室内の生徒達がざわつき始める。敢えて芹奈に聞こえるトーンで言葉を発する。


 芹奈は瞬時に言語を聞き取る。空気を感じ取る。周囲を見渡す。居心地悪そうに戸惑う。


「ああ。ちょっと行ってくる」


 木下がヘルプに入る。数回ほど言葉を交わす。宥める。


 芹奈は木下と一緒に正章達の近くから退く。


「ざまぁない」

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