第212話 ゴーレム

 ちなみに沙月に確認してもらった所3日で40体がゴーレムの討伐数らしい。

珍しく日数が増えていたが討伐数は40体だったのでその気になれば1日でいけるかと思っていたのだが階層を突破するのに出会ったゴーレムはたったの5体。


「これは本当に少ないな」

土操作を使って遊んでいる場合ではないかもしれない。

地面を泥にして相手のバランスを崩したりと便利だったりもしたのだが『魔力共有』並に覚えるのに時間がかかった場合は無理そうだ。


「普通に狩ってると日数がオーバーしてしまうかもしれませんね」

「だから言ったでしょう。特攻先としては向かないって」

シトリーがそれ見たことかと言わんばかりに言ってくる。

「まぁ達成出来ないほどの数じゃないしなんとかするさ」

23階層まで一緒と聞いていたのでそのまま階層を進み道中でゴーレムを倒すが各フロアの数が決まっているのか5体しか現れなかった。


相手としてはそれなりに歯応えがあるのでいいのだが本当に個体数が少ない。

「仕方ない戻るか…」

そうして来た道を戻ったのだが今度の出現数は各フロア3体。


「さっきより減ってやがる…」

「この調子で狩ってると完全に枯渇しそうですね…」

今、管理しているであろう日和に文句を言いたくなってきた。


「妙ね…復活速度が遅すぎるわ」

シトリーが呟く。

「そうなのか?」

「ええ、リソース不足とはいってもここまで遅いのは異常だわ…」

これは異常事態らしくシトリーは何やら考えている。


「ここの壁を壊して頂けます?」

何かを思いついたシトリーはそんな事を言いだした。

「いいのか?」

「ええ、突き破るつもりでやっちゃってくださいな」

シトリーの言葉に従って迷宮の壁を思いっきり殴る。


「痛ってぇ!」

普通の土壁だと思って殴ったのだがその壁は異様に硬く殴った手が痺れている。

まさか久々にまともに受けたダメージが自傷なんて笑えない。


「まさか壁を高耐久に設定してるなんて…」

シトリーが驚いた顔をしながら何か考えていた。


「あなたのレールガンならぶち抜けるはずだからそれでお願い」

腕を抑えているとシトリーからさらに無茶なお願いをされる。


「いいけどよ、壊したら何があるんだ?」

「それを確かめる為に壊すの」

シトリーの言葉に従ってレールガンを壁に放つ。

壁に当たったレールガンはいつも通りに壁を破壊すると思っていたのだがまさかの傷は付いたが貫くまでにはいかなかった。


「嘘だろ…」

「まさかここまでの高耐久に設定してるなんて…一体なぜ」

「レールガン以上の攻撃なんて私達は持ってませんよ…」

「ムリムリムリ」

さてこうなってしまってはどうしようもない。


「全員の攻撃を集めて一気にと思ったけど一定の攻撃力以下は無効にされるみたいだしな」

俺の拳でダメージが入っていなかったのである程度の攻撃は無効にされてるっぽい。

そして極めつけがこの再生力。

先ほど傷を付けたはずの壁はすでに回復していた。


「連続レールガンでいけるか?」

魔力倍増+魔力共有のおかげで連続でレールガンを打つことはそれほど難しくない。

しかし、それで突破出来るかは半々といったところだ。

「ぶち抜いた方がいいんだよな?」

「ええ、やって頂戴」

そう言われてしまってはしょうがない。


「2人とも頼む俺の背中に触れててくれ魔力もらうぞ」

俺の背中に2人の手が触れて魔力共有を発動する。


「一気にいくぞ!」

手に持てる限界である5発をそのまま連続発射出来る態勢を取る。

狙いをつけるのも難しい上に連続で5発はやるのは初なので色々気を使う。

しかし先程の様子を見るとすべて1点に当てないと恐らく貫通出来ない。

息を整え集中し磁界によるレールを作る。

そしてそこに5個の弾を走らせる。


「いけ!!」

発射されたレールガンは壁に当たり傷を付けさらに壁にあたり傷が広がりやがて亀裂となる。

そして最後の5発目が当たった時その亀裂と共に壁を貫通し穴が空いた。

「ミレイ、生命感知を使いなさい」

「は、はい!」

ミレイがシトリーの言葉に従い生命感知を使用する。


「えっ!?」

小さく空いた穴だったのだがすぐに修復が開始された。

「おい閉まっちゃうぞ」

せっかくぶち抜いたというのに人が通れるサイズではなく成す術もなく再生していくのを見守るしかなかった。

「向こうに人の反応があります!しかも複数!」

「はぁ!?」

驚いていたミレイから驚きの言葉が発せられ全員の時が止まる。


「なるほど…そういう事ね…」

シトリーは何かわかったような顔をしている。


壁の修復が終わり穴は完全に塞がった。

「それで何かわかったのか?」

「ええ、どうやらこのダンジョン…他のダンジョンと繋げたみたい」

「「「は?」」」

3人から同時に声が出る。


ここは俺達の占有ダンジョンだ。

それを他のダンジョンと繋げられたとあっては色々と問題が出る。

「さっきのを見てもらった通りフロアを繋げるのは至難の技だから気にする必要はないと思うわよ」

確かにレールガン5発を連続で発射して開けれたのは小さな穴一つ。


俺が後5人いれば大穴を開けれるかもしれないがあの修復速度では開いてもすぐに塞がれそうだ。


そう考えるとあそこの壁を壊して繋ぐのは不可能に思える。


「恐らくだけど一部のフロアを他のダンジョンと繋げてリソース確保しているんだと思うわ」

こっちのダンジョンに潜る人数は増やす事が出来ないので他のダンジョンと繋げて増やしたってことか。

「そんな事できるなら最初からやればよかったんじゃないか?」

シトリーの時にやっていれば解決していたのではと思えた。

「嫌よ、なんでワタクシの城を他人と混ぜないといけないの?」

そうかこいつはこういうヤツだった。


「という事は、いまこのフロア…いえ12と13階層もでしょうか他のダンジョンと繋がっているということですか?」

「そうね、そう思ってもらっていいわよ。だからこっちに現れるモンスターが少ないみたい」

恐らくあちらのフロアの方が広く取られておりこちらは狭くされているのだろう。迷宮フロアにしているのもそれが理由だ。

「なるほどな…こりゃゴーレム選ばない方が良いってカナタに伝えておかないとな…」

明らかに効率が落ちるのでゴーレムは少し時間がかかりそうだった。


「ちなみに繋がったのはどのダンジョンなのでしょう?」

「ストラスが支配してたダンジョンだと思うけど何処かは知らないわ」

「それなら多分わかるぞ」

ストラスは実際にダンジョン内で目撃された情報がある。

そのダンジョンということはアメリカの本土で一番人気のあるダンジョンで間違いなかった。


まぁ影響はでないと思いたいがこのダンジョンの共有化でどういった影響がでるのか…予想は出来ない。

そもそもこのフロアだけとも限らないリソースを確保するという目的であればかなりの階数を共有化してる可能性もある。


帰ったら沙月に相談だな。

俺じゃ解決策も解答も出せない。

問題を先送りにしてとりあえずゴーレムの討伐特典を確認する為にゴーレムを乱獲する。


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